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訂正:インタビュー:物価「原理主義」脱却を、マイナス金利は不要=門間元日銀理事
8月13日、元日銀理事でみずほ総合研究所・エグゼクティブエコノミストの門間一夫氏(写真左)は、日銀の金融政策運営に関して、物価2%目標の達成に過度にこだわる「原理主義」から脱却すべきとの見方を示した。写真はワシントンで2009年4月撮影(2018年 ロイター/Yuri Gripas)
[東京 13日 ロイター] - 元日銀理事でみずほ総合研究所・エグゼクティブエコノミストの門間一夫氏は、日銀の金融政策運営に関し、物価2%目標の達成に過度にこだわる「原理主義」から脱却すべきとの見方を示した。足元で好景気が続く中、物価だけではなく経済や金融情勢も重視した政策が必要とし、危機対応策であるマイナス金利やイールドカーブ・コントロール(YCC)政策は「今すぐ撤廃してもいい」と述べた。13日、ロイターの取材に応じた。
<物価2%は本当に必要か>
日銀は7月の金融政策決定会合で、金融緩和の長期化を前提に、政策の枠組みを修正した。
門間氏は「物価上昇率が2%になると日本経済が素晴らしくなる」という日銀の考え方に疑問を呈した上で、「(物価2%達成によって得られる)わずかなゲインに対して大きなリスクがあるかもしれない政策をやってもいいのか」と述べ、物価目標そのもののあり方について問題提起した。
日銀だけが2%の旗を降ろせば為替相場などにも影響が出ることから、「2%を長期的な目安として置き、物価だけではなく経済や金融面への影響を総合的に判断して最適な金利水準を考えていくべき」と強調。
現在の経済実態に照らし合わせれば「マイナス金利の撤廃とYCCの廃止は今すぐやってもいい」とし、「『2%原理主義』を見直すべき時期に来ている」と訴えた。2%に向けて物価を押し上げるような追加緩和策は「基本的に何もない」とも語った。
<家計への副作用>
門間氏は、低金利が長期化することの副作用についても言及。短観などですでに企業から高い設備投資意欲が示されている点に触れ、「この局面でさらに投資が加速するというのは、景気の持続性という観点から見て、必ずしも喜ばしいことではない」との見方を示した。
その上で、「金利が上がる希望がないと、ますます家計へのマインドを萎縮させる結果になってしまう可能性がある。家計への影響を考えれば、マクロ的にむしろ逆効果になる」と警鐘を鳴らした。
金融機関の収益悪化という側面は「セクター問題であり、そういう問題に矮小化するのは望ましくない」と語った。
一方、7月の決定会合で日銀が導入を決めた「政策金利のフォワードガイダンス」を巡っては、「しばらく長短金利も上がらないだろうというのは、もともと皆分かっていた話だ。それを改めて確認しただけの話で、実質的に意味はない」とした。
*写真が間違えていたため、削除しました。
(梅川崇、木原麗花)