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イタリア市場、8月に投機筋が攻撃する見込み=政府当局者
8月12日、イタリア連立政権を構成する極右政党「同盟」の幹部、ジャンカルロ・ジョルゲッティ氏は現地紙リベロとのインタビューで、イタリア市場は今月、投機筋の攻撃対象になる可能性が高いが、同国には防衛するための原資があると語った。写真はイタリア国旗。ローマで5月撮影(2018年 ロイター/Tony Gentile)
[ローマ 12日 ロイター] - イタリア連立政権を構成する極右政党「同盟」の幹部、ジャンカルロ・ジョルゲッティ氏は12日付の現地紙リベロとのインタビューで、イタリア市場は今月、投機筋の攻撃対象になる可能性が高いが、同国には防衛するための原資があると語った。
首相府次官を務めるジョルゲッティ氏は「(イタリア市場への)攻撃を(8月に)見込んでいる」と指摘。「運用益に飢えた投機ファンドは標的を見つけては攻撃する。夏は出来高が少なく、特定の国に対して攻撃的な行動に出る基盤を作りやすい。トルコが良い例だ」と述べた。
市場では、同盟と反体制派「五つ星運動」との連立政権が掲げる大規模な歳出拡大計画によってイタリアの債務が膨らみ、欧州連合(EU)の財政ルールを守れなくなるとの懸念があり、同国資産はここ数週間、圧迫されている。
ジョルゲッティ氏は「(市場に)嵐が到来すれば、われわれは傘を広げる。イタリアは大きな国で、高水準な民間貯蓄などのおかげで、対応するための原資がある」と強調した。
一方、ミラネージ外相は11日付の現地紙イル・フォリオとのインタビューで、トルコリラの急落は、イタリアがユーロ圏加盟国にとどまることの重要性を示していると指摘。「ユーロは好ましくないのではないかとの疑念を引き続き抱いている人たちは、トルコで現在起きていることを注意深く考慮に入れる必要がある」と語った。
ミラネージ氏はどの政党にも所属していない。
同氏の見解には同盟のチーフ・エコノミスト、クラウディオ・ボルギ氏が反論。12日に現地紙ラ・ベリタに対し、「ユーロについては、安定していると思い込んで安心せず、懸念する必要がある」と強調。欧州中央銀行(ECB)が計画する量的緩和の終了はイタリアに大きな打撃を与える可能性があると警告した。
「新たな(市場の)保証制度を確立するか、それができなければプランB(代替策)を準備する必要がある」と指摘。ユーロ圏離脱が念頭にあるとみられる。「イタリアの(貿易収支)は既に黒字だ。自国の通貨があれば、特大の黒字になる」と述べた。