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東日本銀が業務改善報告、石井会長は退任 経営管理体制強化へ
[東京 10日 ロイター] - 金融庁から業務改善命令を受けたコンコルディア・フィナンシャルグループ<7186.T>傘下の東日本銀行は10日、内部管理・経営管理体制の強化策などを盛り込んだ業務改善計画を同庁に提出したと発表した。石井道遠会長や大神田智男頭取らが経営責任を取り、報酬を減額した上で、石井会長は8月末で退任する。コンコルディアの川村健一社長と寺沢辰麿前社長も報酬を返上し、持ち株会社としての責任も明確化した。
東日本銀行は7月、金融庁から、融資に当たって根拠が不明確な手数料を取るなどしていたと指摘され、改善命令を受けていた。新たにまとめた計画では、取締役会の機能強化や、法令遵守や顧客保護のために新部署を立ち上げることなどを盛り込んだ。体制整備のために、持ち株会社傘下の横浜銀行から専門人材を約20人を受け入れる。
会見した大神田頭取は原因について「日銀のマイナス金利もあり、規模拡大のアクセルを踏んだ。業績拡大と内部管理体制のバランスを取る施策が必要だったが取れなかった。経営陣の株主に対する意識が強すぎ、ドライブが掛かりすぎた」と述べた。
川村社長は「持ち株会社として実態把握ができていなかった。金融庁からも子銀行に対して改善の指示、指導はしているが、効果が上がっていないとの指摘があった」と話し、今後、グループを挙げて内部管理体制の強化に努める姿勢を示した。
川村社長は横浜銀と東日本銀との合併について「営業についてはそれぞれの特性があり、顧客に合わせなければならない」と説明し、両行の合併については否定的な姿勢を示した。
経営陣の処分は、石井会長が月額報酬の40%を6カ月、大神田頭取が同30%を6カ月を減額。コンコルディアは、川村社長と寺沢前社長が同20%を1カ月返上する。
(布施太郎)