ニュース速報

ビジネス

実質GDP、4―6月期は前期比+0.5% 民需中心で2期ぶりプラス

2018年08月10日(金)12時27分

 8月10日、内閣府が発表した2018年4─6月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比プラス0.5%と、2四半期ぶりのプラス成長だった。川崎市で2011年1月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[東京 10日 ロイター] - 内閣府が10日発表した2018年4─6月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比プラス0.5%と、2四半期ぶりのプラス成長だった。年率換算ではプラス1.9%となった。ロイターがまとめた民間調査機関の事前予測の中央値は前期比プラス0.3%、年率プラス1.4%で、いずれもこれを上回った。名目GDPの成長率は前期比プラス0.4%だった。

内閣府によると、4─6月期実質GDPは民間需要を中心に増加した。実質GDPのうち、内需寄与度はプラス0.6%と、2四半期ぶりのプラスだった。外需寄与度はマイナス0.1%で、2四半期ぶりのマイナスとなった。ロイターの調査では外需寄与度はプラス0.1%の予測だった。

4―6月期は民間最終消費支出が前期比プラス0.7%と、ロイター予測の同プラス0.2%を大幅に上回った。個人消費がプラスとなるのは2四半期ぶりで、雇用・所得環境の改善などを背景に自動車や個人向けサービスなどが増加に寄与した。

民間設備投資は同プラス1.3%(ロイター予測はプラス0.6%)と7四半期連続で増加。生産用機械を中心に建設やソフトウエアなど幅広い分野で増加を示している。政府公的固定資本形成は、同マイナス0.1%となった。

輸出入の動向は、財貨・サービスの輸出が同プラス0.2%と8四半期連続で増加した。船舶などが増加に寄与したが、伸び率自体は1─3月期の同プラス0.6%から鈍化。財貨が同プラス1.1%の伸びとなる一方、サービスが海外輸送貨物やコンサルティング・サービスなどの減少で同マイナス3.3%となったことが影響した。輸入は同プラス1.0%と3四半期連続で増加。航空機などが増加に寄与した。

4―6月期のGDPデフレーターは前年同期比プラス0.1%だった。

政府の2018年度実質成長率見通しはプラス1.5%で、内閣府は見通しを達成するには各前期比プラス0.59%の伸び率が必要としている。内閣府によると、18年度成長率へのゲタはプラス0.1%。

<景気は緩やかに回復>

茂木敏充経済再生相はGDP発表を受けて談話を発表した。

景気認識について、茂木再生相は「民需の増加に支えられた成長となっており、景気については、緩やかに回復していると認識している」と指摘。先行きについては「雇用、所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、民需を中心とした景気回復が期待される」とした。

談話では、保護主義的な姿勢を強めるトランプ米政権を念頭に、「通商問題の動向が世界経済に与える影響や海外経済の不確実性、金融市場の変動の影響などに留意する必要がある」ことも明記した。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ビジネス

ロイターネクスト:為替介入はまれな状況でのみ容認=

ビジネス

ECB、適時かつ小幅な利下げ必要=イタリア中銀総裁

ビジネス

トヨタ、米インディアナ工場に14億ドル投資 EV生
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中