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米テスラのマスクCEO、非公開化資金の調達計画は未提出=関係筋

2018年08月10日(金)11時23分

 8月9日、米電気自動車(EV)メーカー大手テスラの取締役会は、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)から株式非公開化の詳細な計画を提出されておらず、CEOから詳しい情報を求めているもようだ。写真はテスラの販売店。カリフォルニア州 で6月撮影(2018年 ロイター/Mike Blake)

[9日 ロイター] - 米電気自動車(EV)メーカー大手テスラの取締役会は、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)から株式非公開化の詳細な計画を提出されておらず、CEOから詳しい情報を求めているもようだ。これにより改めて、マスク氏の資金調達方法に関する疑問が広がっている。

ある関係筋によると、取締役会はマスク氏の提案について、すでに複数回の協議を行った。ただ、取締役会は同氏から、詳細な調達計画および資金の出し手に関する具体的な情報を受け取っていないという。同氏は、非公開化に向けた資金は確保したとツイッターで述べていた。[nL4N1UZ5IC]

テスラはコメントを拒否した。

マスク氏は数カ月間、投資家や記者、アナリストとの間で、黒字化達成や量産型セダン「モデル3」の生産が需要に見合うかどうかに関し、舌戦を繰り広げてきた。

同氏は7日、テスラを1株当たり420ドル、総額720億ドルで非公開化することを検討中だと明らかにし、金融市場を驚かせた。同社の社債はすでに投機的格付けを付与されており、株主や投資銀行の間では、このような多額の資金を誰が出せるのかについて懐疑的な見方が広がった。

米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は8日、証券取引委員会(SEC)が非公開化検討に関する発表の手法や内容の真実性について調査していると報じた。

マスク氏の提案について、取締役会は正式なレビューを実施するかどうかを数日以内に決定する見通し。レビューに当たっては、財務アドバイザーとの契約について投資銀行と話をしているという。

取締役会は8日に公表した発表文で、非公開化を行うための「資金調達について協議した」と説明したが、詳細には触れていない。

関係筋によると、取締役会がマスク氏の提案について正式な検討を始める場合、同氏は関与できないか、もしくは特別取締役委員会を組織する必要があるという。

マスク氏には、生産問題やキャッシュフローの減少により同社株が下落することを見込んだヘッジファンドから圧力がかかっている。テスラが非公開化された場合、この圧力はなくなることになる。

ただ投資銀行やアナリストらは、黒字化していない同社が株式や債券により資金を調達するのは困難だとロイターに話した。

アナリストの一部は、マスク氏がフィデリティ・インベストメンツや中国の騰訊控股(テンセント・ホールディングス)などの大口投資家に株式による出資拡大を説得することもできると述べた。実現すれば、必要資金は大幅に減少する。

ただ、この場合、案件のストラクチャーは非常に複雑となる見通しで、少数株主持ち分の取得には法的な問題も見込まれるという。

関係筋が7日明らかにしたところによると、サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」はテスラの5%弱の株式を取得している。PIFはテスラの非公開化計画への資金提供の有無についてコメントを避けた。

*内容を追加しました。

ロイター
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