ニュース速報

ビジネス

日経平均は反発、アジア株高追い風 TOPIX高値引け

2018年08月07日(火)15時25分

 8月7日、東京株式市場で日経平均は反発した。前日の米国株高が相場を下支えしたほか、アジア株の上昇が追い風となり、後場に上げ幅を拡大した。写真は東京証券取引所で2015年8月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 7日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反発した。前日の米国株高が相場を下支えしたほか、アジア株の上昇が追い風となり、後場に上げ幅を拡大した。好決算と評価されたソフトバンクグループ<9984.T>の大幅高も指数の押し上げ要因となった。TOPIXは4日ぶりに反発し、高値引けとなった。

セクター別では石油・石炭が上昇率トップとなり年初来高値を更新。情報・通信が2%を超す上昇となった。半面、水産・農林とパルプ・紙の下げが目立ち、銀行も軟調だった。東証1部の売買代金は前日比3.2%増の2兆1525億円と商いは低調だった。

ソフトバンクは一時7%を超す上昇。日経平均終値を約69円押し上げる要因となったほか、東証1部銘柄の売買代金ランキングでトップとなった。トヨタ<7203.T>は一時1%以上下落したものの、後場に切り返し0.18%高で取引を終了。日経平均をTOPIXで割ったNT倍率<.NTIDX>は13倍を上回る場面があったが、大引けにかけて低下し、終値ベースでは12.98倍となった。

ドル/円が111円台前半で落ち着いた動きとなったほか、取引時間中は上海総合指数<.SSEC>が1%を超す上げとなるなど、アジア株が堅調に推移し、米中貿易戦争の警戒で売りに動いた短期筋の買い戻しを誘発した。

ただ米国議会の予備選をにらんだトランプ米大統領による不規則発言が警戒されたほか、日米通商協議を控え円高が進行するリスクも引き続き市場では意識された。

内藤証券・投資調査部長の田部井美彦氏は「好業績を発表した商社株をみてもPER(株価収益率)の修正が進まない。世界景気の先行きが懸念されていると言わざるを得ない。日本の景気の先行き自体への警戒が反映されている面もある」と話す。

個別銘柄では日本製鋼所<5631.T>がストップ高。6日に発表した2019年3月期業績予想の上方修正を好感した。連結純利益は150億円から180億円に引き上げた。産業機械事業を中心に利益の改善が予想されるほか、固定資産売却による特別利益の計上も寄与する。

半面、パイオニア<6773.T>が急落。18年4─6月期の連結業績が最終赤字となったほか、経営改善計画提示などの具体的作業の遅れを背景に、現時点で取引銀行から借り換えの合意が得られていないとして「継続企業の前提に重要な疑義が存在」していると開示した。経営の先行き不透明感が強まったとの受け止めから売り注文が集まった。

東証1部の騰落数は、値上がり1382銘柄に対し、値下がりが644銘柄、変わらずが77銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      22662.74 +155.42

寄り付き    22514.31

安値/高値   22499.05─22666.68

TOPIX<.TOPX>

終値       1746.05 +13.15

寄り付き     1733.22

安値/高値    1731.99─1746.05

東証出来高(万株) 132412

東証売買代金(億円) 21525.53

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米テスラ、従業員の解雇費用に3億5000万ドル超計

ワールド

中国の産業スパイ活動に警戒すべき、独情報機関が国内

ワールド

バイデン氏、ウクライナ支援法案に署名 数時間以内に

ビジネス

米耐久財コア受注、3月は0.2%増 第1四半期の設
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 2

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 3

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」の理由...関係者も見落とした「冷徹な市場のルール」

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 6

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    コロナ禍と東京五輪を挟んだ6年ぶりの訪問で、「新し…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中