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欧州市場サマリー(6日)

2018年08月07日(火)04時07分

[6日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 続伸して取引を終えた。原油の値上がりに伴い石油株が買われた。

サウジアラビアの7月の産油高が予想外に減少したことで原油が値上がりし、石油大手のBPとロイヤル・ダッチ・シェルは1.1%と0.6%それぞれ上昇した。

英国の欧州連合(EU)離脱を巡る懸念でポンドがさらに下落したこともFTSE100種の押し上げ要因となった。ポンド安はドルで収益を上げる国際的な銘柄の追い風となる。

一方、上半期決算がまちまちな内容だった金融大手HSBCは1.0%下落した。収益が増加する一方で、新たな成長戦略の投資コストが増えたほか、住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売に絡む問題で米司法省との和解の引当金として7億6500万ドルを計上ことで、税引き前利益は小幅な増加にとどまった。

中型株ではサービスオフィスを提供するIWGが20.5%急落。3件の買収提案を受けていたが、全ての協議を止めたことが嫌気された。

病院グループ、スパイア・ヘルスケアは21.8%急落し、過去最安値をつけ、5分の1以上の時価総額が吹っ飛んだ。英政府が運営する国民保健サービスからの紹介が減った影響で通期のコア利益が大幅に減ると警告したことが嫌気された。

クレディスイスは英国株の投資判断を引き下げた。一次産品銘柄へ慎重な見方を示したほか、ポンドがこれ以上、大きく値下がりすることはないと指摘した。

<欧州株式市場> まちまちで取引を終えた。決算が期待外れの内容だった欧州最大の銀行HSBCが売られたほか、合併計画に不透明感が出てきたドイツの産業ガス大手リンデが値を下げた。

HSBCは1.0%下落。新成長戦略のコストが増えたほか、住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売に絡む問題で米司法省との和解の引当金として7億6500万ドルを計上し、上半期利益が期待外れの内容となった。

イタリアの銀行、バンコBPMは6.0%下落した。貸倒引当金が予想以上に多かったことで第2・四半期利益が市場予想を下回ったほか、5月にみられた政局混乱で国債が大幅に値下がりし自己資本率が低下した。STOXX欧州600種銀行株指数<.SX7P>は0.59%低下した。

リンデは7.5%下落。米同業プラクスエアとの830億ドル規模の合併計画に不透明感が出てきた。米連邦取引委員会(FTC)が、合併承認の条件として、より多くの事業売却を両社に要請する可能性があるとの発言が嫌気された。リンデが重しとなり化学株指数<.SX4P>は0.86%低下した。

ドイツの6月の鉱工業受注指数が1年半ぶりの大幅な低下となったことで鉱工業銘柄も値を下げた。ドイツの総合電機大手シーメンスとドイツ工業大手ティッセンクルップは0.4%と0.9%それぞれ下落した。

<ユーロ圏債券> イタリア2年債利回りが低下し、1%を下回る水準で推移。連立政権が3日発表した予算枠組みが引き続き材料視されている。

ディマイオ副首相がこの日、欧州連合(EU)の財政規則の尊重は優先事項ではないと発言したことは一部圧迫要因となったものの、高利回りを求める動きがイタリア債の買いを後押しした。

イタリア2年債利回りは0.99%。一時0.93%まで低下した。前営業日は予算を巡る閣議への警戒感から売りが膨らみ、1.36%まで上昇していた。

ただ、スペイン2年債利回りのマイナス0.3%、独2年債利回りのマイナス0.6%と比較すると、高利回りを求める投資家には極めて魅力的な水準にある。

同10年債利回りは2.92%近辺を安定的に推移。前営業日は6月初旬以来初めて3.1%を上回っていた。

ディマイオ副首相はこの日、国営放送RAIのインタビューで、EUが設定した条件に反することなく改革を実施するよう努めるとしつつ、「われわれの優先事項は、国民と国民のニーズだ」と語った。

財政赤字の対国内総生産(GDP)比上限をEUが設定した3%とすることを無条件の責務だと考えるかとの質問に対しては、財政規則の尊重を理由に改革を「実施できないと言うことはできない」と述べた。また、消費税引き上げの可能性も排除した。

同発言を受け、イタリア債の価格上昇は一時的で、利回りは今後上昇するとの見方が広がった。

キャピタル・エコノミクスのエコノミストは「イタリア10年債利回りが年末までに3.5%に上昇すると予想する」と述べた。来年には4%に達するとの見通しも示した。

独10年債利回りは0.39%と、1週間ぶり低水準に迫った。

6月の独鉱工業受注指数は前月比マイナス4%と、昨年1月以来の大幅な低下となった。

イタリア10年債との利回り格差は252ベーシスポイント(bp)。

ロイター
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