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NY市場サマリー(13日)
[13日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨バスケットに対し下落。中国の6月の対米貿易黒字が過去最大に膨らんだことを示す統計を受け、米中貿易の緊張が高まるとの懸念からドルに逃避買いが入る場面もあったものの、米株価上昇し、週末を控え比較的薄商いとなったことから下げに転じたことが指摘された。
主要通貨6指数に対するドル指数<.DXY>は0.07%安の94.740。一時95.241まで上昇し、6月29日以来の高値を付けた。
円
ユーロ/ドル
人民元
アナリストによると、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が前日、減税策や歳出拡大策で経済が少なくとも3年間は押し上げられるとみられる中、米経済は良好な位置にあるとの考えを示したことを受け、朝方にはドル買いが先行した。
パウエル議長は来週議会で経済・金融政策に関する半期に一度の議会証言を行う。これに先立ち、FRBは同日、半期に一度の報告書を議会に提出。年前半の米経済は底堅く成長しており、引き続き緩やかな利上げが適切との認識を示した。
ムニューシン米財務長官が中国との通商問題について、中国側に構造的な変革を行う意思がある場合、米国は交渉を再開する可能性があるとの考えを示したことを受け、貿易摩擦巡る懸念が一部後退した。
この日は下落したものの、市場ではドル上昇軌道に変更はないとの見方が根強い。
アムンディ・パイオニア・インベストメンツの為替戦略ディレクター、パレッシュ・ウパドヤヤ氏は、貿易戦争を巡る懸念が世界経済成長への下振れリスクを浮き彫りにし、ドルへの追い風となる中、「ドル上昇に歯止めをかける要因を想定することは困難」との認識を示した。
<債券> 国債価格が上昇。連邦準備理事会(FRB)はこの日、米経済の底堅い成長を強調した。
FRBは議会に提出した半期に一度の報告書の中で、年前半の米経済は底堅く成長しており、引き続き緩やかな利上げが適切との認識を示した。パウエル議長は17、18日の両日、議会証言を行う。
こうした中、欧州債券相場の値上がりが米国相場の下支えとなったほか、メイ英首相が先週示した欧州連合(EU)からの穏健な離脱案を遂行する場合、米英間の自由貿易協定は締結できない可能性があるとのトランプ米大統領発言を巡る報道も、質への逃避買いを誘ったもよう。
その後トランプ大統領はメイ首相を批判していないと発言。メイ首相も「ブレグジットに伴い、米英が自由貿易協定を追求することで一致した」とした。
長短金利差は再び11年ぶりの水準に縮小した。2年・10年債の利回り格差は24.27ベーシスポイント(bp)。今週行われた国債入札では3年債入札への引き合いが他の長期債入札よりも見劣りする結果となった。「投資家が長期債への選好を強めていることは明らか」(キャンター・フィッツジェラルド)で、これがイールドカーブの縮小につながっている。
10年債
<株式> 小幅上昇。S&P総合500種<.SPX>は終値で5カ月ぶり高値を付けた。工業株などが上昇したが、大手3行の決算が失望を誘った銀行株は下落した。
工業株<.SPLRCI>は0.6%高。前夜から貿易を巡る当局発言が出なかったことから、ボーイング
この日の米銀大手の決算はさえなかったが、市場では間もなく本格化する決算発表が好調な内容になると予想している。
ウェドブッシュのマイケル・ジェームズ氏はこの日の相場について、銀行決算の失望の中でも比較的力強さがあったとし、決算期待は「1カ月前より明らかに高まっている。全般的に良い内容になれば、相場は引き続き上昇するだろう」と述べた。
シティグループ
S&P総合500種は2月1日以来の高値を記録。年初来で4.8%上昇している。
動画配信大手ネットフリックス
医薬品・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン
ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.01対1の比率で上回った。ナスダックは1.22対1で値上がり銘柄数が多かった。
S&P500構成銘柄を見ると、38銘柄が52週高値を更新し、2銘柄が新安値を付けた。ナスダック総合構成銘柄では93銘柄が新高値を、40銘柄が新安値をそれぞれ更新した。
米取引所の合算出来高は約53億株。直近20営業日の平均は66億株。
<金先物> ドル高・ユーロ安の先行を背景に売りが優勢となり、反落した。中心限月8月物は前日比5.40ドル(0.43%)安の1オンス=1241.20ドルと、清算値ベー スで2017年7月中旬以来約1年ぶりの安値を付けた。週間では1.16%安となった。
この日の金相場は為替相場に振り回される展開。未明からドル買い・ユーロ売りが進行したたため、ドル建てで取引される金は割高感に圧迫され、相場は一時1236.20ドルまで下落した。ただ、その後はドル高・ユーロ安が反転し、金も次第に買い戻された。
しかし、好調な米国経済や企業業績への期待感から米株相場が続伸する中、安全資産とされる金の需要が減退したことに加え、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ継続観測も金利を生まない資産である金には圧迫材料となり、上値は重かった。
一方、米ミシガン大学が午前に発表した7月の消費者景況感指数(暫定値)は前月(確報値)から低下し、市場予想も下回ったが、相場の反応は限定的だった。
金塊現物相場は午後1時半現在、5.905ドル安の1240.990ドル。
<米原油先物> ドル高・ユーロ安の反転などを手掛かりに買い戻しが入り、3日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値は、前日比0.68ドル(0.97%) 高の1バレル=71.01ドル。ただ、週間では3.78%安となった。9月物の清算値は0.60ドル高の69.95ドルだった。
相場は早朝まで横ばい圏で推移していたが、朝方以降は買いが活発化。外国為替市場で早朝にかけて進んでいたドル高・ユーロ安が反転し、ドル建てで取引されるエネルギー商品の割安感が徐々に強まったことが支援材料となった。
また、ノルウェーの沖合石油・ガス掘削リグの労働者670人が10日、賃金交渉の決裂を受けてストライキを開始。労使はまだ交渉を再開しておらず、このままだと15日深夜から追加で901人がストに加わる公算が大きい。さらに、イラクでも、雇用や公共サービス改善を求めて約100人のデモ集団が主要港湾へのアクセスを阻んでおり、原油輸出に障害が生じるとの懸念も浮上しているという。
一方、午後に入り、米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表した国内の石油掘削リグ稼働数は前週比横ばいの計863基。同統計の内容を確認後、相場は一段と上値を拡大し、一時71.66ドルの高値を付けたが、清算値確定間際に台頭した利益確定の売りなどに押されて上げ幅を一部削った。