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ECB、来年の利上げ時期巡り解釈分かれる 「早ければ7月」の声
7月11日、ECB政策当局者らは来年の利上げ時期を巡り解釈が分かれていると、複数の関係筋が明らかにした。写真は2016年12月、フランクフルトで撮影(2018年 ロイター/Ralph Orlowski)
[フランクフルト 11日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の政策当局者らは来年の利上げ時期を巡り解釈が分かれていると、複数の関係筋が明らかにした。早ければ7月に利上げ可能とする意見がある一方、秋までは実施できないとする声もあるという。
ECBは6月の理事会で、金利について「少なくとも2019年夏にかけて」過去最低の現行水準を維持するとの見通しを示し、時期は曖昧な表現にとどめた。
市場ではこの表現について、ECBが来年10月、または12月まで金利を据え置くと捉えられたが、ロイターに匿名で話した当局者は異なる見解を示した。
当局者の一部は、このガイダンスが夏の終わりまで明確に利上げを排除したものと受け止めており、来年9月21日の理事会より後と見方を示す。
ある関係筋は「それが唯一の可能な解釈だ」と指摘。利上げは早くても10月24日の理事会になることを示唆していると、一部当局者らは主張する。
一方で別の当局者は、文言が曖昧なため、インフレ見通しによっては7月25日の理事会での利上げも可能だと予想。
別の関係筋は「1年以上も動きを縛り付けておくことはできない」と述べた。
どの関係筋も、政策当局者らがこのガイダンスの意味について議論しておらず、解釈が分かれていることがその理由である可能性があるとした。
一部には、ドラギ総裁の発言が極めてハト派的であるから利上げ見通しが来年12月まで後ずれしていると不快感を示す声もある。このところの原油高でインフレが予想以上に加速するリスクは高まっているが、ドラギ氏は貿易保護主義の高まりが経済成長へのリスクになっていると警戒を示している。
ECBはコメントに応じなかった。
利上げを巡っては、ECB理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁が11日、利上げは早くて来年夏ごろになる可能性があるとの見解を明らかにした。
ドラギ氏は6月14日の理事会後、「もし9月という意味であれば、9月と記していただろう」と述べている。
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