ニュース速報

ビジネス

NY市場サマリー(21日)

2018年06月22日(金)07時04分

[21日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨に対して反落。利益確定売りで11カ月ぶり高値から下落した。ポンドは、イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミストが利上げを支持したことで、7カ月ぶり安値水準から上昇した。

米フィラデルフィア地区連銀がこの日発表した6月の連銀業況指数は19.9と、前月の34.4から低下し、約1年半ぶりの低水準となった。これを受け米経済への懸念が高まり、一部で利益確定の売りが出た。

ナットウェスト・マーケッツのマクロストラテジスト、ブライアン・デンジャーフィールド氏は「市場はこのところ企業活動に関するデータに非常に敏感だ。ドルが弱含むケースが見られている」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は一時95.529と、昨年7月以来の水準まで上昇したが、その後は94.762に下げた。

<債券> 国債利回りが低下。貿易摩擦を巡る根強い不安やさえない経済指標が相場の下支えとなった。

貿易摩擦を巡っては、ドイツの自動車大手ダイムラーが20日、米中双方の報復関税に伴い「メルセデス・ベンツ」のスポーツタイプ多目的車(SUV)販売が打撃を受けるとし、今年の利払い・税引き前利益(EBIT)が「昨年をやや下回る」との見通しを示すなど、世界各国の経済や企業業績への悪影響が懸念されている。

またイタリアで上院財政委の委員長にユーロ懐疑論者のアルベルト・バグナイ議員(同盟)が、下院予算委員長には同じく同盟のユーロ懐疑派クラウディオ・ボルギ氏が指名されたことも米国債の買いを誘った。

アクション・エコノミクス(サンフランシスコ)の国際債券部マネジングディレクター、キム・ルパート氏は「貿易摩擦懸念やイタリアを巡る不安から米国債に対し質への逃避買いが入った」と述べた。

<株式> 下落し、ダウ工業株30種は8営業日続落した。貿易摩擦を巡る懸念から工業株の売りが膨らんだ。

アマゾン・ドット・コムをはじめとするオンライン小売株も軒並み下落。州売上税を巡る米最高裁の判決が重しとなった。

独ダイムラーが2018年の業績見通しを下方修正したほか、BMWが米中の貿易摩擦を踏まえて「戦略的選択肢」を検討していると明らかにしたことを受け、製造業や自動車大手が売られた。

アマゾンは一時1.9%安まで売られ、1.1%安で終了。米最高裁は、州政府がオンライン小売業者に売上税の徴収を義務付けることを認める判決を出した。

石油輸出国機構(OPEC)会合を前に原油価格が下落し、エネルギー株の下げも目立った。

<金先物> 世界的な貿易摩擦激化に対する懸念が広がる中、現物市場での売りが先物にも波及し、3日続落した。米利上げペースの加速観測を背景としたドル指数の上昇も圧迫要因となった。

ただ市場関係者の間からは、金相場は今や短期的に見て売られ過ぎており、極めて近いうちに、場合によっては翌22日にもある程度の持ち高調整による買い戻しが入って相場が上向くかもしれない、と指摘する声も聞かれた。

<米原油先物> 石油輸出国機構(OPEC)定例総会を翌22日に控えて増産決定に対する警戒感が広がる中、反落した。

今総会で最終的に増産が決定されるかどうかは依然不透明な部分も残っているが、ある程度の増産は決定される可能性が高いとの臆測が広がった。また、米中間の貿易摩擦激化に対する警戒感も引き続き相場を下押しする要因となった。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

メルセデス、中国パートナーとの提携に投資継続 「戦

ビジネス

日経平均は大幅反落800円超安、前日の上昇をほぼ帳

ビジネス

焦点:国内生保、24年度の円債は「純投資」目線に 

ビジネス

ソフトバンク、9月30日時点の株主に1対10の株式
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中