ニュース速報

ビジネス

欧州市場サマリー(21日)

2018年06月22日(金)04時17分

[21日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。8月の利上げ観測が高まるイングランド銀行(英中央銀行)の動きに伴いポンドが上昇し、輸出銘柄が多いFTSE100種の重しとなった。

イングランド銀行はこの日、政策金利を据え置くと発表したが、9人の政策委員のうち3人が引き上げを主張。前回までは2人だったが、今回はチーフエコノミストを務めるホールデン理事が新たに利上げを支持した。

そのほかの材料としては、今週の石油輸出国機構(OPEC)総会を控え、生産増加で合意に至るとの見方から原油価格が下がった。石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルとBPは0.6%と0.9%それぞれ下落した。

一方、放送局スカイは1.8%上昇。米メディア大手の21世紀フォックスの娯楽事業の大半を買収しようとしている米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーが提示額を引き上げた。ディズニーによる修正案を受け、フォックスが、完全子会社化を目指すスカイへの提示額を引き上げるとの期待が高まった。

<欧州株式市場> 反落。イタリア政局への不安で同国株が売られたほか、貿易摩擦懸念で自動車銘柄も値を下げた。

イタリアでは、極右政党「同盟」の上院議員であるアルベルト・バニャイ氏が、上院財務委員会の委員長に指名された。下院予算委員長には同じく同盟のクラウディオ・ボルギ氏が指名された。両氏とも欧州懐疑派で、今後の政局の不安材料となった。

イタリアの主要株価FTSE・MIB指数<.FTMIB>は2.02%低下。イタリアの銀行株<.FTIT8300>は2.41%低下した。

米中貿易摩擦の懸念が払拭されない中、STOXX欧州600種自動車・部品株指数<.SXAP>は3.24%低下し、約2年ぶりの大幅安となった。自動車銘柄は通商政策に左右されやすい。CMCマーケッツの市場アナリスト、デービッド・マーデン氏は「米中の対立は解決から程遠い状態だ。トレーダーらは、トランプ米大統領が今度は欧州連合(EU)に矛先を向けることを心配している」と述べる。

ドイツの自動車大手ダイムラーは4.3%下落し、2年近くぶりの安値に落ち込んだ。中国が米国からの自動車輸入品に関税をかけることで利益に影響するとし、業績見通しを引き下げている。

<ユーロ圏債券> イタリアの国債利回りが上昇。同国政府がユーロ懐疑派2人を議会上下両院の委員会トップに指名したことを受けた。

上院財政委委員長には極右政党「同盟」のアルベルト・バグナイ議員、下院予算委員長には同じく同盟のクラウディオ・ボルギ氏が指名された。これを受け、単一通貨ユーロに対する新政権の姿勢に懸念が再燃した。

両議員はこれまで、予算を巡る欧州連合(EU)のルールを批判している。トリア経済財務相は政府にはユーロから離脱する意思はないと繰り返しているが、市場の落ち着きには効果を発揮していない。

イタリア2年債利回りは30ベーシスポイント(bp)超急伸した。

アバディーン・アセット・マネジメントの投資マネジャー、パトリック・オドネル氏は「イタリア国債が非常に小さいと思われるニュースを材料に30bpや40bpも売られるという事実は、投資価値が低下していることを示す」と述べた。

イタリア10年債利回りは18bp上昇し、1週間ぶり高水準となる2.76%。スペイン10年債とポルトガル10年債も連れ高となった。

指標となるイタリアとドイツ10年債の利回り格差は、前日から25bp拡大して約242bp。1週間ぶりの大きさとなった。

安全資産とされるドイツ国債は上昇。10年債は3週間ぶり低水準の0.317%を付けた。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、1─3月期は予想下回る1.6%増 約2年

ワールド

米英欧など18カ国、ハマスに人質解放要求

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中