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欧州市場サマリー(21日)
[21日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。8月の利上げ観測が高まるイングランド銀行(英中央銀行)の動きに伴いポンドが上昇し、輸出銘柄が多いFTSE100種の重しとなった。
イングランド銀行はこの日、政策金利を据え置くと発表したが、9人の政策委員のうち3人が引き上げを主張。前回までは2人だったが、今回はチーフエコノミストを務めるホールデン理事が新たに利上げを支持した。
そのほかの材料としては、今週の石油輸出国機構(OPEC)総会を控え、生産増加で合意に至るとの見方から原油価格が下がった。石油大手のロイヤル・ダッチ・シェル
一方、放送局スカイ
<欧州株式市場> 反落。イタリア政局への不安で同国株が売られたほか、貿易摩擦懸念で自動車銘柄も値を下げた。
イタリアでは、極右政党「同盟」の上院議員であるアルベルト・バニャイ氏が、上院財務委員会の委員長に指名された。下院予算委員長には同じく同盟のクラウディオ・ボルギ氏が指名された。両氏とも欧州懐疑派で、今後の政局の不安材料となった。
イタリアの主要株価FTSE・MIB指数<.FTMIB>は2.02%低下。イタリアの銀行株<.FTIT8300>は2.41%低下した。
米中貿易摩擦の懸念が払拭されない中、STOXX欧州600種自動車・部品株指数<.SXAP>は3.24%低下し、約2年ぶりの大幅安となった。自動車銘柄は通商政策に左右されやすい。CMCマーケッツの市場アナリスト、デービッド・マーデン氏は「米中の対立は解決から程遠い状態だ。トレーダーらは、トランプ米大統領が今度は欧州連合(EU)に矛先を向けることを心配している」と述べる。
ドイツの自動車大手ダイムラー
<ユーロ圏債券> イタリアの国債利回りが上昇。同国政府がユーロ懐疑派2人を議会上下両院の委員会トップに指名したことを受けた。
上院財政委委員長には極右政党「同盟」のアルベルト・バグナイ議員、下院予算委員長には同じく同盟のクラウディオ・ボルギ氏が指名された。これを受け、単一通貨ユーロに対する新政権の姿勢に懸念が再燃した。
両議員はこれまで、予算を巡る欧州連合(EU)のルールを批判している。トリア経済財務相は政府にはユーロから離脱する意思はないと繰り返しているが、市場の落ち着きには効果を発揮していない。
イタリア2年債利回り
アバディーン・アセット・マネジメントの投資マネジャー、パトリック・オドネル氏は「イタリア国債が非常に小さいと思われるニュースを材料に30bpや40bpも売られるという事実は、投資価値が低下していることを示す」と述べた。
イタリア10年債利回り
指標となるイタリアとドイツ10年債の利回り格差は、前日から25bp拡大して約242bp。1週間ぶりの大きさとなった。
安全資産とされるドイツ国債は上昇。10年債は3週間ぶり低水準の0.317%を付けた。