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日経平均は続伸、円安支えに一時200円超高 先物主導で荒い動き

2018年06月21日(木)15時27分

 6月21日、東京株式市場で日経平均は続伸した。外為市場での円安基調が支えとなったほか、値がさ株の上昇も指数を押し上げた。写真は東京証券取引所で2月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 21日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸した。外為市場での円安基調が支えとなったほか、値がさ株の上昇も指数を押し上げた。先物主導で買われ上げ幅は一時200円を超えたが、貿易戦争を巡る懸念は根強く、大引けにかけて急速に伸び悩む荒い動きとなった。銀行株は軟調に推移。TOPIXは小幅安となった。

香港・ハンセン指数や中国・上海総合指数などアジア株はさえない動きとなったが、日本株への影響は限られた。ファーストリテイリング<9983.T>とソフトバンクグループ<9984.T>の上昇が、日経平均に対し約85円の押し上げ要因となった。東証1部銘柄のうち値上がり銘柄は34%にとどまっている。

また日経平均をTOPIXで割ったNT倍率<.NTIDX>は12.96倍まで上昇し、1999年3月以来の高水準を付けた。

日経平均の上昇の背景に、需給要因を挙げる声は多い。海外投資家は今年1─3月に先物を約6.1兆円売り越したが、4月以降の買い越し額は6月第2週まで約3兆円にとどまっており、依然として買い戻しの余力があるとみられている。

大和証券・シニアストラテジストの石黒英之氏は「先物のショートが積み上がり、裁定買い残も低水準。需給主導で上がりやすい状況にあった」と指摘。「日経平均と比較的連動性のある米ナスダックが強く円安も進んだことで、短期筋による日経平均先物への買い戻しが入った」とする一方、「先物主導の相場は移ろいやすく、持続性には疑問もある」と話す。

東証1部の売買代金は前日比8.6%減の2兆5002億円。セクター別では機械、情報・通信が上昇率上位にランクイン。パルプ・紙と銀行は2%を超す下落。金融セクターのほか、電気・ガス、海運も軟調だった。米商務省は日本などから鉄鋼製品を輸入する7社について、鉄鋼関税の適用除外を認めたことを明らかにしたが、日本の鉄鋼セクターはマイナス圏で取引を終えた。

個別銘柄では武田薬品工業<4502.T>が4%を超す上昇。UBS証券が20日付レポートで、目標株価とともにレーティングを「バイ(買い)」に引き上げた。シャイアー買収により獲得するキャッシュフローが投資家には魅力的だとしている。半面、グローリー<6457.T>は年初来安値を更新。大和証券が20日付レポートで同社のレーティングを「アウトパフォーム」から「中立」に引き下げたほか、目標株価も減額した。先行投資の増加で利益成長率が鈍化すると指摘している。

東証1部の騰落数は、値上がり713銘柄に対し、値下がりが1303銘柄、変わらずが75銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      22693.04 +137.61

寄り付き    22523.28

安値/高値   22491.08─22782.01

TOPIX<.TOPX>

終値       1750.63 -2.12

寄り付き     1750.69

安値/高値    1747.47─1758.74

東証出来高(万株) 140251

東証売買代金(億円) 25002.80

ロイター
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