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欧州市場サマリー(20日)

2018年06月21日(木)03時46分

[20日 ロイター] -

<ロンドン株式市場> 4営業日ぶりに反発して取引を終えた。米中貿易摩擦による悪影響はすぐには出ないとの見方から買い安心感が広がった。

ただこの日は、英国の欧州連合(EU)離脱を巡るメイ英首相の法案が議会を通ったことでポンドが上昇し、主要銘柄の重しとなった。

住宅建設のバークレー・グループは5.9%下落。2018/19年度の税引き前利益が30%減少するとの見通しが嫌気された。17/18年度にみられた予想を超える業績は「ピーク」だったとの見方を示した。

一方、オンラインスーパー大手オカドは5.6%上昇。証券会社ピール・ハントが目標株価を引き上げたことが好感された。オカドの事業形態が全ての部門において小売販路の「基準」となり得ると評価した。

<欧州株式市場> 小反発。だが投資家らは引き続き、米中の貿易摩擦を不安視している。

貿易摩擦を巡る懸念はこれまでもすでに相場の重しとなっていた。両国はともに引き下がる兆しがなく、多くのアナリストはこれが今後株価をさらに押し下げるとみている。

貿易摩擦への懸念が売り材料となり、STOXX欧州600種自動車・部品株指数<.SXAP>は0.55%低下。4営業日続落となった。同じく貿易摩擦が売り材料となってきた欧州航空機大手エアバスも一段安となり、この日は0.5%下落した。

こうした中、イタリアの銀行、バンコBPMは2.7%上昇。不良債権を予想よりも高い価格で売却できたことが好感された。これがけん引する形でイタリアの銀行株指数<.FTIT8300>は2.18%上昇し、6月11日以来の大幅高となった。

一方、イタリアの高級ブランド、サルバトーレ・フェラガモは8.4%下落した。持ち株会社が保有株の一部を大幅な割引価格で売却したことを受け、サルバトーレ・フェラガモの利益を巡る懸念が浮上した。

ほかの高級ブランド銘柄も連れ安となり、フランスのLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)とエルメス、ケリングは1.0%から2.5%値を下げた。フランスのCAC40指数<.FCHI>は0.34%低下した。

<ユーロ圏債券> 独債利回りが前日付けていた2週間半ぶりの低水準から小幅戻して推移している。貿易摩擦を巡る懸念が幾分和らぐ中、債券の安全資産としての投資妙味が薄まり、株価が世界的に上昇していることが背景。

アナリストの間からは、新材料なしに利回りが一段と低下する公算は小さいとの指摘も聞かれた。

ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁はこの日、エスカレートする貿易摩擦に楽観的となる理由はないとしつつも、金融政策に及ぼす影響を見極めることは時期尚早との認識を示した。

独10年債利回りは0.37%近辺で安定的に推移。前日に付けた2週間半ぶりの0.35%を上回って推移している。

周辺国債は堅調。メルケル独首相とマクロン仏大統領が前日、ユーロ圏共通の予算創設で合意したことが材料視されている。

イタリア10年債利回りは一時2.536%と、2週間半ぶりの低水準をつけた。独債との利回り格差は218bpと、月初来の低水準に迫った。

イタリア2年債利回りも3bp低下し、0.58%。

この日はその他、ECB理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁が、ECBの資産買い入れプログラムは年末で終了し、来年夏にも利上げする可能性があるが、緩和的な政策は続くとの見通しを示した。

金融市場では、ECBが来年10ベーシスポイント(bp)の利上げを1回実施するとの見方が完全に織り込まれている。

ロイター
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