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物価2%への勢い維持、需給ギャップ改善が原動力=雨宮日銀副総裁
6月20日、日銀の雨宮正佳副総裁(左)は、都内で行われた全国信用金庫大会であいさつし、「需給ギャップの着実な改善を原動力として、2%の物価安定目標に向けたモメンタム(勢い)は維持されている」と述べた。写真は都内で3月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 20日 ロイター] - 日銀の雨宮正佳副総裁は20日、都内で行われた全国信用金庫大会であいさつし、「需給ギャップの着実な改善を原動力として、2%の物価安定目標に向けたモメンタム(勢い)は維持されている」と述べた。米国の経済政策運営に触れつつ、国際金融市場に及ぼす影響を注視する考えも併せて示した。
雨宮副総裁は物価の現状について、企業の価格設定スタンスが慎重なことなどを背景に、「景気の拡大や労働需給の引き締まりと比べて、物価はなお弱めの動きが続いている」と指摘した。
需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率が高まることで、物価上昇率は2%に向かうと予想した一方、目標には依然距離があるとして、引き続き強力な金融緩和を進めると強調した。
金融システム面では「全体として安定性を維持している」と評価。ただ、地域金融機関の経営環境は「長引く低金利に加え、地域の人口や企業数の減少に直面する下で、金融機関間の貸出競争が激化しており、基礎的収益力は趨勢(すうせい)的に低下している」との見解を示した。
(梅川崇)