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ドル109円半ば、米中貿易戦争懸念で円急伸
6月19日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点から円高の109円半ば。米中貿易戦争への懸念が強まり、アジア株が全面安となる中で円が急伸、全面高となった。写真は2016年11月撮影(2018年 ロイター/Dado Ruvic)
[東京 19日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点から円高の109円半ば。米中貿易戦争への懸念が強まり、アジア株が全面安となる中で円が急伸、全面高となった。
きっかけはトランプ米大統領の発表。日本時間19日午前8時半過ぎ、中国の報復関税への対抗措置として、2000億ドル規模の中国製品に10%の追加関税を課す考えを明らかにした。
これを受けて為替市場では円が急伸。ドル/円は朝方の高値から1円下落し一時109.56円と、11日以来1週間ぶり安値をつけた。ユーロ/円も127円前半へ、英ポンド/円も145円前半へともに1円超売られた。
<豪ドル/円3カ月ぶり安値、中国懸念と商品安で売り活発>
円が全面高となる中、対主要通貨のクロス円で最も下げが大きかったのが豪ドル/円。朝方の高値から1.3円下落し、80円後半と3カ月ぶり安値をつけた。
「米中間の貿易数量が縮小すれば、打撃を受けるのはアジアの貿易立国」(野村証券)との見方から、特に対中貿易が輸出の3割弱、輸入の2割弱を占める豪ドルに対する売りが強まったという。鉄鉱石や石炭など資源輸出が多いため「商品相場の下げも売り手がかり」(トレーダー)だ。
一方で中国も、米国が追加的な関税リストを公表する場合は「質的かつ量的な」措置を講じると表明。「極端な圧力や脅迫は相互の合意から逸脱するもので、国際社会を失望させる」と強く反発した。
SMBC日興証券チーフマーケットエコノミストの丸山義正氏は「世界貿易の圧迫は世界経済の成長を損ない、ひいては各国の成長にも悪影響を与える。貿易戦争がもたらす不透明感や、サプライチェーンの修正などによる追加費用まで勘案すればなおさらだ。こうした悪影響は、世界経済を景気後退に陥れるようなショックとしては作用しないが、成長の勢いを削ぐだろう」としている。
ドル/円
午後3時現在 109.58/60 1.1619/23 127.34/38
午前9時現在 110.12/14 1.1628/32 128.06/10
NY午後5時 110.54/56 1.1622/24 128.48/52
(為替マーケットチーム)