ニュース速報

ビジネス

米AT&T、タイム・ワーナー買収完了へ 司法省は上訴排除せず

2018年06月15日(金)09時44分

 6月14日、米通信大手AT&Tと米司法省は、AT&Tによるタイム・ワーナーの買収完了を可能にする諸条件で合意した。2017年11月(左)、2016年10月撮影(2018年 ロイター/Lucas Jackson (左) /Stephanie Keith)

[ワシントン 14日 ロイター] - 米通信大手AT&Tと米司法省は14日、AT&Tによるタイム・ワーナーの買収完了を可能にする諸条件で合意した。ただ、司法省が上訴する可能性は残っている。

AT&Tと米政府はいくつかの条件で合意し、連邦裁判所に対して、AT&Tがタイム・ワーナーを850億ドルで買収することを承認するよう要請した。政府は60日以内なら上訴が可能。AT&Tは今週中にも買収を完了させることが可能だとの見通しを示した。

AT&Tは、タイム・ワーナー傘下のターナーのネットワークについて、当面は価格設定や人事を含めディレクTVと別に管理することなどで合意した。

これらの条件は来年2月28日か、今回の訴訟または上訴が終了するまで有効となる。

米連邦地裁のレオン判事は12日、AT&Tによるタイム・ワーナー買収は競争法上、合法だとの判断を示し、消費者に不利益をもたらすとして差し止めを求めていた司法省の訴えを退けた。

元司法省反トラスト部門関係者のセス・ブルーム氏は、CNNなどを持つターナーがディレクTVと別に管理されることで、司法省は上訴を検討する間、判決の効力一時停止を求める必要がなくなったと指摘。上訴の選択肢を残しているのは明らかだとの見方を示した。

ただ専門家は、レオン判事が司法省の主張について、根拠が極めて乏しいなどと指摘したことを踏まえると、政府が上訴で勝利するのは難しいかもしれないと話した。

AT&Tは、司法省が効力の一時停止を求め、認められた場合、6月21日の期限までに買収を完了できなくなると懸念していた。その場合、タイム・ワーナーが買収案を拒否するか、再交渉を求める可能性があった。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ前米大統領、麻生自民副総裁と会談=関係者

ワールド

北朝鮮「圧倒的な軍事力構築継続へ」、金与正氏が米韓

ビジネス

中国人民銀、国債売買を政策手段に利用も=高官

ビジネス

米テスラ、新型モデル発売前倒しへ 株価急伸 四半期
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中