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ドル110円半ば、米朝首脳会談延期を警戒
5月23日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点からドル安/円高の110円半ば。写真は左が5月にワシントンで撮影されたトランプ米大統領。Kevin Lamarque撮影。右は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長。4月板門店での代表撮影(2018年 ロイター)
[東京 23日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点からドル安/円高の110円半ば。トランプ米大統領が米朝首脳会談の延期に言及したことなどが背景となり、リスク回避の動きが強まった。早朝のトルコリラ急落も市場に警戒ムードを与えたという。
東京市場のドル/円に動きがあったのは午前10時過ぎ。それまで推移していた110円後半から急速に下げ足を速め、11時前には110.42円まで下落。昼過ぎに110.38円まで下げ幅を広げた。
円急伸に直接的な手がかりは特段なかったが、同じ時間に日経平均や米国株先物も売られており、市場では短期筋が仕掛け的な売買に動いた可能性を指摘する声が出ている。
首脳会談延期の公算が浮上する中で「日経平均が2万3000円台を維持できなかったこともあり、ファンド勢がリスクオフムードに乗じる形で、一転して株売りに動いた」(トレーダー)という。日経平均は一時、300円超の下げとなった。
<トルコリラ急落、個人が損切りか 逆張りが裏目>
早朝のトルコリラ急落も市場心理の悪化を通じ、株安や円高を後押しする一因となった。
リラは日本時間午前7時8分から突然下げ始め、同14分までの6分間で23円後半から前半へ1円弱急落。対ドルでも同じ時間帯に4.6リラ後半から4.8リラ半ばまで一気に売られた。
市場では、海外市場の参加者が少なくなった日本時間早朝の急落は、日本の個人投資家が設定していた損失確定のリラ売り/円買い注文が発動されたためではないかとの声が出ている。
リラは前日海外市場でも軟調展開が継続。対ドル、対円ともに過去最安値を更新していた。
外為どっとコムによると、同社顧客のトルコリラ買い持ちは、急落前の22日海外市場終了時点で16万枚強。昨年11月以来半年ぶりの低水準だが、3月のピーク21万枚強から約2割減少した程度にとどまっており、依然高水準だった。
リラが連日過去最安値を更新し続ける中で、日本の個人投資家が挑んだリラ買い/円売りの逆張り戦略が裏目に出た形だ。
ドル/円
午後3時現在 110.49/51 1.1760/64 129.97/01
午前9時現在 110.72/74 1.1785/89 130.52/56
NY午後5時 110.88/91 1.1778/80 130.60/64
(為替マーケットチーム)