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ドイツは投資拡大、経常黒字縮小を=IMF年次報告書
[ベルリン 14日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は14日、ドイツ経済の年次審査報告書でドイツの公共投資を拡大し、同国の大規模な経常黒字を縮小することを促した。
IMFは報告書でドイツは生産性と投資を伸ばすことで長期的な潜在的経済成長率を押し上げ、「長期にわたり続いている大規模な経常黒字」を縮小できると述べた。「新しい連立政権は、ドイツのこうした課題に取り組み続けるいくつかの歓迎すべき政策を掲げている」とした上で、「ただ現在の好景気を機に新政権はより大胆な政策を進めることができる」と主張した。
IMFはドイツ政府に対し、「財政規制の下で対応可能なことはたくさんあり」、インフラや教育の公共投資を一段と拡大するべきだと提言。
「ドイツ経済は好調だ」とし、輸出や投資が弱含んだ後、輸出は持ち直し投資が勢いを増したことで2017年に国内総生産(GDP)は伸び率が拡大したことに言及し、短期的には経済成長が底堅いとの見通しを示した。「しかし近い将来にはリスクが出てくる。保護主義的な姿勢の高まりや地政学的先行き不透明感、ユーロ圏の改革計画の停滞などは輸出にとってマイナス要因となるほか、投資を押し下げ、金融的リスクが再び出てくることになる可能性がある」と指摘した。
フランスのマクロン大統領は先週、ドイツに対して、欧州再建の取り組みで重役を担いたいのであれば、同国の「極端に」保守的な財政政策を止めるよう訴えた。
IMFと欧州委員会は長年、ドイツに対して賃金や投資を押し上げ国内需要を拡大することで大規模な貿易黒字を縮小するように求めてきた。トランプ米大統領は就任後、再三にわたりドイツの貿易黒字を批判しており、論争は過熱している。