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欧州市場サマリー(30日)

2018年05月01日(火)04時14分

[30日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 小幅続伸して取引を終えた。英スーパーマーケット2位のセインズベリーと、米ウォルマートの英部門であり同3位に位置するアズダが合併合意したことで、小売り部門に大きな値動きがみられた。

セインズベリーは一時、20%高をつけた後、14.5%高で取引を終えた。過去最高の上昇幅となった。セインズベリーとアズダは133億ポンド(183億3000万ドル)規模の合併に合意。合併後の新会社は市場シェアで英スーパー首位のテスコを上回り、英国で最大規模のスーパーマーケットグループが誕生する。テスコは0.9%下落した。

一方、スーパーのWMモリソンは1.3%、小売り大手のマークス・アンド・スペンサー(M&S)は0.4%、ネットスーパー大手オカドは1.9%それぞれ上昇した。

マーティン・ソレル最高経営責任者(CEO)が退任した後、初めて決算を発表した広告代理店大手WPPは8.6%上昇。第1・四半期の純売り上げが予想を上回ったほか、通期の業績見通しを維持したことが好感された。

<欧州株式市場> 続伸して取引を終えた。米ウォルマートの英部門である英スーパーマーケット3位アズダと合併合意した同2位のセインズベリーが大幅高となった。

STOXX欧州600種指数<.STOXX>は月間ベースで約3.8%上昇し、2016年12月以来の大幅高となった。2月と3月はマイナスとなっていた。2月に株式相場が乱高下した後、投資家らが明るい見方を取り戻していることを示唆した。

アズダとの合併でスーパーマーケットの市場シェアが英国最大となるセインズベリーは14.5%急騰し、過去最高の上昇幅となった。ベレンバーグのアナリストらは「合併がうまくいけば、調達と販路の規模は食品小売りとして市場を支配し、食品以外の分野でアマゾンと対抗できる大きさとなり、英国内で巨大な小売り企業となる」と述べた。

競合のモーベンピック・ホテル&リゾートを5億6700万ドルで買収することで合意した欧州最大のホテルチェーンの仏アコーホテルズは2.0%上昇した。

一方、米携帯電話3位のTモバイルUSの大株主であるドイツテレコムは0.3%下落した。TモバイルUSと、米携帯電話4位のスプリントは260億ドルで合併することで合意。ドイツテレコムは発表を受けて買い込まれたものの、終盤にかけて反落した。

<ユーロ圏債券> イタリア国債利回りが上昇。再選挙実施の可能性が浮上したことが相場に影響した。

欧州連合(EU)に懐疑的な立場を取り、3月の総選挙で第1党に躍進した新興政党「五つ星運動」のディマイオ党首は、新政権樹立に向けた連立協議は成果が得られなかったとした上で、早期の再選挙実施を要求した。

DZ銀のストラテジストは、やや驚いたとした上で「再選挙となれば不透明感が増すことになるが、市場はこれまでのところ平静を保っているようだ」と述べた。またラボバンクの関係者は「総選挙が行われた場合、五つ星運動と(同様にEU懐疑派の)同盟の政権が誕生する可能性が高まり、これは市場が最も嫌気する結果だ」とした。

イタリア10年債利回りは6ベーシスポイント(bp)上昇し1.802%。ドイツ国債との利回り格差は前週末の約117bpから128bpに拡大し約2週間ぶりの高水準となった。

ポルトガル10年債利回りが3─4bp上昇。他の国債利回りも小幅上昇した。

ドイツの4月消費者物価指数(CPI)は欧州連合(EU)基準(HICP)で前年比1.4%上昇となり、伸びは前月の1.5%から減速した。イタリアのCPIも前年比の伸びが前月の0.9%から0.6%に鈍化した。

こうした中、ギリシャ10年債利回りは8bp低下し3.829%と、2月初旬以来の低水準を付けた。グリア経済協力開発機構(OECD)事務総長は、同国が債務危機以降、改革に向け「多大」な努力を続けており、国際債権団は債務救済を行う時期が来ているとの考えを示した。

ロイター
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