ニュース速報

ビジネス

日経平均は反落、米株大幅安で警戒感 円安が下支え

2018年04月25日(水)15時37分

 4月25日、東京株式市場で日経平均は反落した。下げ幅は一時200円に迫ったものの、後場に下げ渋る展開だった。前日の米国株は大幅安。米ハイテク株の不安定な値動きや世界景気の先行きに対する警戒感が広がったが、外為市場では1ドル109円台まで円安が進行し、国内自動車関連株は堅調だった。写真は都内で2015年5月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 25日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反落した。下げ幅は一時200円に迫ったものの、後場に下げ渋る展開だった。前日の米国株は大幅安。米ハイテク株の不安定な値動きや世界景気の先行きに対する警戒感が広がったが、外為市場では1ドル109円台まで円安が進行し、国内自動車関連株は堅調だった。日銀によるETF(上場投信)買いへの思惑も相場の下支え要因となった。

TOPIXは0.11%安で取引を終了。セクター別では電気・ガスが上昇率トップ。ゴム製品、食料品がこれに続いた。建設は後場に上げ幅を拡大した。一方、下落率首位は機械だった。石油関連のほか、建機・ハイテク関連株が軟調だった。

米長期金利が3%を突破したことで株式市場への悪影響が懸念されたが、市場ではグロース系の銘柄を手仕舞い、割安株を選好する姿勢がみられた。PBR(株価純資産倍率)の低い銘柄が集まるように構成銘柄の選定をしたTOPIXバリュー<.TOPXV>は0.11%高となった。

東海東京調査センター・マーケットアナリストの仙石誠氏は「米株は急落したがVIX<.VIX>が大きく上昇した訳ではない。米VIXの先物建玉の状況を見る限り、2月のようにボラティリティ―の上昇に伴う形で米国株が下落を続ける展開は見込みにくい」と指摘する。「米金利上昇も、ダメージを受けるはずの米国企業は税制改正で高い利益率を保つことができる環境下にある」という。さらに、日米ともに今後は自社株買いによる需給改善効果が期待できるとしている。

個別銘柄では武田薬品工業<4502.T>が急落。アイルランドの製薬大手シャイアーは24日、武田薬の買収提案を受け入れるよう株主に推奨する意向を明らかにした。武田薬は同日、シャイアーに対する5度目の買収提案で、提示額を460億ポンド(640億ドル)に引き上げていた。財務悪化や増資による株式需給の悪化などが改めて懸念された。市場予想を下回る2019年3月期の営業利益見通しを発表した日本電産<6594.T>は反落した。

半面、東光高岳<6617.T>が大幅高。同社は19年3月期の連結純利益予想について前期比10.0%増の17億円と24日に発表しており、堅調な業績を期待した買いが入った。18年3月期の連結利益予想の上方修正を25日に発表した清水建設<1803.T>は続伸した。

東証1部の騰落数は、値上がり1077銘柄に対し、値下がりが894銘柄、変わらずが109銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      22215.32 -62.80

寄り付き    22118.62

安値/高値   22080.76─22228.78

TOPIX<.TOPX>

終値       1767.73 -2.02

寄り付き     1758.81

安値/高値    1756.45─1769.32

東証出来高(万株) 142346

東証売買代金(億円) 24679.06

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、1─3月期は予想下回る1.6%増 約2年

ワールド

米英欧など18カ国、ハマスに人質解放要求

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中