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NY市場サマリー(20日)

2018年04月21日(土)06時52分

[20日 ロイター] - <為替> 米国債利回りの上昇を背景にドル指数が2週間ぶりの水準に上昇した。一方、英ポンドは前日の英中銀総裁のハト派的な発言が影響し引き続き軟調となった。

今週は米連邦準備理事会(FRB)当局者から、米経済が安定的に成長していることを根拠に、年内は一段の利上げが実施されるとの見方の示唆が相次いだ。一方、欧州中央銀行(ECB)総裁、およびイングランド銀行(英中央銀行)総裁は、経済指標が思わしくないことで利上げは急がないとの姿勢を示唆した。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は一時約2週間ぶりの高水準となる90.477に上昇。終盤の取引では0.4%上昇の90.314となっている。

ドル/円は0.2%高の107.50円。一時は107.85円と、2週間ぶり高値を付けた。

ユーロ/ドルは1.2248ドルと、2週間ぶり安値を更新。週初からの下落率は0.39%となり、週間としては2カ月ぶりの大きな下落となった。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 債券売りが継続する中、指標10年債利回りが3月21日以来の水準に上昇。これに伴い、過去2週間ほど縮小していた長短利回り格差は前日に続き拡大した。

ただ市場では、ここ2日のイールドカーブのスティープ化は米経済に対する信認の高まりを反映しているのではなく、テクニカル要因によるもので、一時的な動きとの指摘が聞かれた。金利上昇のほか、米国債発行の増加が長短利回り格差縮小の背景にある。米財務省は来週から2、5、7年債の発行規模を拡大する。

10年債の利回りの上昇や全般的な債券売りについて、DRWトレーディングの市場ストラテジスト、ルー・ブライエン氏は「債券は株価動向やインフレ期待の高まりに反応しているように見受けられない」とし、「国債発行に関連した動き」との見方を示した。

終盤の取引で、2年債利回りは2.449%に上昇。

10年債利回りは約1カ月ぶりの高水準となる2.945%をつけた。ただ、2月21日に記録した約4年ぶりの高水準となる2.957%をなお下回る水準にある。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 主要3指数が続落して取引を終えた。米国債利回りの急上昇に懸念が広がったほか、ハイテク株が今後の決算発表や「iPhone(アイフォーン)」需要動向を巡り神経質となる中で下げを主導した。S&P情報技術指数<.SPLRCT>が1.5%下落し、S&P総合500種<.SPX>最大の重しとなった。

投資家は債券利回りが高いと、消費財や不動産など高配当などが見込まれる銘柄より、債券を好むとされる。ただ高金利は金融機関の収益を押し上げる可能性がある。金融株が0.05%上昇し、S&P11部門中最も高いパフォーマンスを示した。

S&P主要消費財<.SPLRCS>の下落率は1.7%、米清涼飲料大手ペプシコが下げを主導した。米日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は2.9%安。小売業者による在庫圧縮やコスト増が、利益率を圧迫したことが嫌気され、前日も4.2%値下がりしていた。

米アップルは4.1%安。主要指数最大の重しとなった。モルガン・スタンレーが、アイフォーン需要が弱含むと予想したことが意識された。アルファベットやフェイスブック、インテル、マイクロソフトなど主要ハイテク各社は来週、決算発表を予定している。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 米利上げペースの加速観測や地政学的リスクの後退などが重しとなり、続落。中心限月6月物の清算値は前日比10.50ドル(0.78%)安の1オンス=1338.30ドルとなった。週間で0.71%(9.60ドル)下落し、マイナスでの越週は3週間ぶりとなった。今週はニューヨーク連銀のダドリー総裁やクリーブランド連銀のメスター総裁ら複数の米連邦準備理事会(FRB)高官が利上げ継続の姿勢を明確にした。足元の経済指標が堅調である上、インフレ懸念も浮上。利上げペースが加速するのではないかとの観測が広がっていることから、金利を生まない資産である金は売られやすかった。また、地政学的リスクを見ても、北朝鮮やシリア情勢などに対する警戒感がひとまず和らぎ、安全資産としての金買いは細っているもようだ。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> トランプ米大統領が原油高と石油輸出国機構(OPEC)への不満を表明したことをきっかけに一時売りが活発化したものの、あと買い戻しが入り、小反発した。この日納会を迎えた米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値は前日比0.09ドル(0.13%)高の1バレル=68.38ドル。週間では1.47%上昇した。トランプ米大統領はこの日早朝、ツイッターに「石油価格は人為的に極めて高い。良くないことで、容認できない」と投稿。需給不均衡の是正を目指し、ロシアなどと協調減産に取り組む石油輸出国機構(OPEC)を批判した。この石油相場への口先介入をきっかけに朝方から急速に売りが膨らみ、相場は前日清算値付近からマイナス圏に転落。外国為替市場でドル高・ユーロ安が進行したこともドル建て商品の割高感につながり、5月物は午前に一時67.50ドルの安値を付けた。しかし、トランプ氏の批判に対し、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相やアラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相が人為的な価格のつり上げを相次ぎ否定。OPECのバーキンド事務局長も米国に対して友好的な姿勢を表明したことから、あと警戒感が和らぎ、相場は下げ幅を一掃した。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

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