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NY市場サマリー(19日)

2018年04月20日(金)07時34分

[19日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨に対し上昇した。米国債利回りの上昇のほか、連邦準備理事会(FRB)が利上げを継続するとの観測が押し上げ要因となっている。一方、ポンドは英中央銀行総裁のハト派的な発言を受け、対ドルで約2週間ぶりの安値を更新した。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は一時1週間ぶりの高水準を付けた。

米経済はエンジン全開とはなっていないものの、安定的な成長軌道から外れてはおらず、FRBは現在のペースで利上げを継続するとみられている。こうしたことを背景に2年債利回りは2008年9月以来の水準に上昇。独2年債との利回り格差は過去30年間で最大となっている。

アナリストはこうした大きな利回り格差がドル需要が高まる一部要因になっていると指摘。一方、トランプ米大統領の通商・経済政策や中東情勢を巡る先行き不透明感が継続していることはドルに対する向かい風となっている。

<債券> 期間が長めの国債利回りが小幅上昇。長短利回り差は拡大した。市場では、利回り差が前日まで9営業日連続で縮小しており、相場はかなり売られ過ぎの領域に踏み込んでいたとの声が聞かれた。

BMOキャピタルマーケッツ(ニューヨーク)の米金利戦略部部長、イアン・リンゲン氏は、この日の動きはテクニカル要因によるもので、利回り差はさらに拡大する余地もあるとした上で、相場は値固めの局面にあり、主要経済指標が新たに発表されれば、利回り差は再び縮小に転じるだろうと述べた。

長短利回り差の縮小は、先行きの経済成長や物価上昇への確信がないままでも利上げが継続するとの見方を反映している。また国債発行の増加に伴い、国債価格の上値は重くなる見通しだ。

<株式> 下落。たばこ銘柄が売られ、日用品株の下げを主導したほか、スマートフォン需要への懸念がハイテク株の売りを誘った。半面、米債券利回りの上昇と企業決算を手掛かりに金融株は上昇した。

半導体受託製造世界最大手で米アップルのサプライヤーである台湾積体電路製造(TSMC)<2330.TW>が今年のスマートフォン需要が軟調になるとの見通しを示したことで、半導体株が下落。TSMC米上場株は5.7%安。アップルは2.8%安となり、S&Pを最も押し下げた。

米たばこ大手フィリップ・モリス・インターナショナルは決算が予想を下回る内容だったことから、15.6%安。フィリップ・モリスUSAの親会社、アルトリアも6%安となった。

米日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は3.3%安。1─3月の業績は予想をわずかに上回ったものの、小売業者による在庫圧縮や商品相場高、輸送費の値上がりが利益率を圧迫したことが嫌気された。

一方、米債利回りの上昇と前日の好決算を受けて、米クレジットカード大手アメリカン・エキスプレスは7.6%高。金融株の上昇をけん引した。

<金先物> ドル高・ユーロ安の進行を受けて割高感から売りが誘われ、反落した。

外国為替市場では昼ごろにかけてドル高・ユーロ安が進行し、ドル建てで取引される金塊などの商品に割高感が生じたことから、金が売られた。また、この日は利益確定の売りも出やすかった。

<米原油先物> 世界的な需給引き締まりへの期待から買いが先行したものの、利益確定の売りなどが出て、3日ぶりに反落した。

相場は前日夕から徐々に値を上げ、早朝には一時69.56ドルと、70ドルの大台が目前に迫った。しかし、その後はもみ合い商状となってマイナス圏に転落。このところ急ピッチで上昇傾向をたどってきたこともあり、高値圏では利益確定の売りが出やすかった。米国内の石油掘削リグ稼働数が引き続き拡大傾向にあることが圧迫材料。また、一部アナリストの間では、現行の価格は需給の面からみると妥当な水準ではなく上昇余地は限られているとの見方もある。

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