ニュース速報

ビジネス

NY市場サマリー(17日)

2018年04月18日(水)07時06分

[17日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場では、ユーロと英ポンドが下落したことでドルがやや上向いた。ただ中東情勢の緊張のほか、米中の通商摩擦を巡りドルに対する慎重な見方は払拭(ふっしょく)されていない。

朝方発表の米経済指標では、3月の住宅着工件数が年率換算で前月比1.9%増の131万9000戸と市場予想を上回ったほか、3月の鉱工業生産は0.5%増加し、伸びは市場予想の0.4%を上回った。

テンパス・コンサルティング(ワシントン)のシニア外為トレーダー、フアン・ペレス氏は「景気減速を示唆したこれまでの低調な指標は、予想より良好だった鉱工業生産と住宅着工で相殺されたもようだ」と指摘。「ここ数週間に発表された経済指標は強弱混交だったが、予想を上回る経済指標がようやく出てきたことでドルは恩恵を受けている」と述べた。

トランプ米大統領は前日、「米国が利上げを継続する中、ロシアと中国は通貨切り下げゲームに興じている。これは容認できない!」とツイッターに投稿。市場ではトランプ氏の発言は相場の軟化を容認するものと受け止められたことで、この日の朝方の取引でドル指数は3週間ぶりの安値に下落した。

ただ、ムニューシン米財務長官はこの日、CNBCのインタビューで前日のトランプ氏のツイートは「通貨切り下げを巡る両国に対する警告」だったと釈明。コモンウエルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場アナリスト、オマー・ エシナー氏は「ムニューシン長官の発言がドルの支援要因となった」としている。

<債券> 米金融・債券市場は、地政学的リスクや貿易問題懸念が和らぐ中でも、長短国債の利回り差が約10年ぶり水準に縮小した。

3月の経済指標を受け、年内追加利上げ観測が広がり、2年債利回りは一時、2.399%まで上昇した。

3月の住宅着工件数が前月比1.9%増の131万9000戸と、市場予想の126万2000戸を上回った。前日公表された3月の小売売上高は4カ月ぶりにプラスへ転じていた。

MUFG証券の米金利戦略部門ディレクターは「3月は天候に恵まれなかったが、指標が底堅さを増し、6月利上げの公算が最も大きいという見方を後押しした」と話す。

利上げ予想を背景に短期債利回りが上昇したものの、国内景気見通しが暗く長期債利回りが低下した。

<株式> 米国株式市場は大幅続伸。ダウ平均株価<.DJI>は200ドル超値上がりしたほか、ハイテク株の多いナスダック総合指数<.IXIC>も2%に迫る伸びとなった。好決算を発表した米動画配信大手ネットフリックスや米医療保険最大手ユナイテッドヘルスなどに買いが集まった。米企業決算への期待感が一段と高まっている。

ネットフリックスは9%上昇し、過去最高値で終了。前日発表の第1・四半期決算は、独自コンテンツの人気を追い風に、契約件数が市場予想を上回る伸びとなった。

米アマゾン・ドット・コムは4%高。ネットフリックスの好決算に支援されたほか、米国の州当局によるオンライン小売業者への売上税の課税を巡る裁判で、米最高裁が課税に消極的な姿勢を示したことも材料視された。

ユナイテッドヘルスは3.6%高。第1・四半期決算で利益が市場予想を上回ったほか、通期の利益見通しを上方修正した。

米金融大手ゴールドマン・サックスは1.6%安。投資家は第1・四半期決算で発表された経費の増加や自社株買いの停止に反応した。ただ、第1・四半期の利益は市場予想を上回った。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、投資家のリスク選好意欲が高まる中、売りが優勢となり、小反落した。

良好な米企業決算を背景に米経済の先行きに楽観的な見方が広がる中、米株相場は寄り付きから上伸。相対的に安全資産とされる金塊は売り圧力にさらされた。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米国内の供給過剰懸念が後退する中で買いが優勢となり、反発した。

ロイターがこの日午後に報じたアナリスト対象の拡大版調査によると、17日夕と 翌18日午前に官民がそれぞれ発表する週間在庫統計では、最新週の原油在庫は前週比1 40万バレル減少したもよう。この在庫取り崩し予想の報を受けて、原油に買いが入った。

(※関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独消費者信頼感指数、5月は3カ月連続改善 所得見通

ワールド

バイデン大統領、マイクロンへの補助金発表へ 最大6

ワールド

米国務長官、上海市トップと会談 「公平な競争の場を

ビジネス

英バークレイズ、第1四半期は12%減益 トレーディ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中