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消費者物価上昇率、2月は3年半ぶり1%乗せ 上昇持続に懐疑的な見方
3月23日、総務省が発表した2月の全国消費者物価指数(CPI)は、指標となる生鮮食品を除く指数(コアCPI)が前年比1.0%上昇した。写真は都内で昨年5月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 23日 ロイター] - 総務省が23日発表した2月の全国消費者物価指数(CPI)は、指標となる生鮮食品を除く指数(コアCPI)が前年比1.0%上昇した。プラス幅は1月の0.9%から拡大。コアCPIが1%に達するのは消費増税の影響を除いたベースで3年6カ月ぶりとなる。もっとも、市場では足元で円高が進行していることもあり、物価上昇の持続性に懐疑的な見方が少なくない。
2月のコアCPIは、エネルギー価格が前年比7.0%上昇し、前月と比べてガソリン代の上昇幅が拡大。春節や平昌冬季五輪の影響で宿泊料や外国パック旅行費もプラス幅が拡大した。携帯電話機や携帯電話料金は下落傾向が続いているが、前年比でみると指数の押し上げ要因となっている。
一方、生鮮食品を除く食料は、牛肉の在庫調整などでプラス幅が縮小している。
物価の基調的な動きを示す除く生鮮・エネルギー(コアコアCPI)も前年比0.5%上昇し、1月の0.4%からプラス幅が拡大した。
生鮮食品を含む総合指数も前年比1.5%上昇し、1月の1.4%からプラス幅が拡大。野菜や果物など生鮮食品は高値が続いているが、サケなど魚介類の価格下落により、生鮮食品全体のプラス幅は小幅に縮小した。
コアCPIの構成品目中6割程度が前年比で上昇しており、政府としては緩やかな上昇が続くと見込んでいる。
もっとも、市場では物価上昇の持続性に懐疑的な見方が少なくない。
第一生命経済研究所・経済調査部主席エコノミストの新家義貴氏はレポートで、今後のコアCPIの動向について、エネルギー価格の押し上げ寄与が縮小する一方、エネルギー以外の部分が改善することが見込まれるとしながらも、「現状程度の伸び率で高止まりの展開になる」と予想。
みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏もレポートで、春節や平昌冬季五輪の影響による宿泊料や外国パック旅行費の上昇という特殊要因に反動が出ることに加え、最近の円高地合いを考えれば「コアの前年同月比プラス幅は次回3月分以降、徐々に縮小していく」との見方を示した。
*内容を追加しました。
(竹本能文 伊藤純夫)