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中国人民銀、7日物市場金利を5bp引き上げ FRB利上げに反応
3月22日、中国人民銀行は声明を発表、7日物リバースレポ金利を5bp(ベーシスポイント)引き上げ、2.55%にしたと明らかにした。写真は北京で2016年1月撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[上海 22日 ロイター] - 中国人民銀行は22日、7日物リバースレポ金利を5bp(ベーシスポイント)引き上げ2.55%とした。
人民銀は声明で、米連邦準備理事会(FRB)に合わせた利上げは、金利期待の形成や信用の「妥当な」伸びを導く上で通常の反応、とした。
人民銀行また、期間7日のリバースレポで100億元(15億8000万ドル)を22日供給したことを明らかにした。
多くの市場参加者は、FRBの利上げに追随して人民銀行が短期金利を5─10bp程度引き上げると予想していた。
みずほ銀行(香港)の為替ストラテジスト、ケン・チュン氏は「米中の金利差が広がり過ぎるのを防ぐための象徴的な利上げだ。元下落は大きな懸念ではないため5bpで十分だ。規制改革やインフレ圧力が落ち着いているので、人民銀は積極的な利上げはしていない」と述べた。
世界的に金融引き締めが見込まれる中、中国も市場金利を引き上げると予想されているが、引き上げ幅を巡っては見方が分かれている。
華宝信託(上海)のエコノミストは、年内に計0.25%ポイント、あるいは消費者インフレが3%を上回るなら最大0.50%の利上げを予想。
ANZは7日物リバースレポ金利が最大0.40%引き上げられると見込んでいる。
市場の一部では基準金利引き上げも見込まれているが、実質金利がマイナスになっている預金金利をゼロ以上に引き上げる程度との見方が多い。
人民銀は2015年10月以降、1年物貸出・預金金利を変更していない。
JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル市場ストラテジスト、チャオピン・ズー氏は「国内での投機や資本流出を抑えるため人民銀は国内市場で金利を引き上げる必要があり、一方で資産価格調整や景気鈍化の可能性から基準貸出・預金金利の引き上げは最適ではない。そのため7日物リバースレポ金利の引き上げは、市場流動性や金利コストの抑制での柔軟性を与える」と述べた。
このほかキャピタル・エコノミクスは、経済成長が予想以上に鈍化すれば政府は緩和策に切り替えるリスクがあるとみている。
関係筋によると、中国人民銀行(中央銀行)はこの後、常設貸出ファシリティー(SLF)の短期金利を5ベーシスポイント(bp)引き上げた。
翌日物は3.40%に、7日物は3.55%に、1カ月物は3.90%に引き上げた。
*内容を追加しました。