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インタビュー:米長期金利、今利上げサイクルで4%まで上昇=著名投資家ファス氏
3月13日、米資産運用会社ルーミス・セイレスの副会長で「債券界のウォーレン・バフェット」とも称されるダン・ファス氏(84歳、運用歴60年)は12日、ロイターのインタビューに応じ、長期金利の指標となる米10年物国債利回りは、今回の利上げサイクルで4%まで上昇するだろうとの見方を示した。写真はニューヨークで2014年4月撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)
[東京 13日 ロイター] - 米資産運用会社ルーミス・セイレスの副会長で「債券界のウォーレン・バフェット」とも称されるダン・ファス氏(84歳、運用歴60年)は12日、ロイターのインタビューに応じ、長期金利の指標となる米10年物国債利回り
今年については、米連邦準備理事会(FRB)が3回の利上げを実施すると予想し、10年国債利回りは現在の2.8%から50ベーシスポイント(bp)程度の上昇を見込んでいると述べた。
同社は、仏ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ傘下の資産運用会社で、米マサチューセッツ州ボストンが本拠地。12月末時点の運用資産残高は2681億ドル(約28.6兆円)。
ファス氏の来日インタビューの概要は以下の通り。
──米雇用統計明けの今週、金融市場には米国の保護主義への懸念などもくすぶる。
「(米国)経済自体は良好だ。だが米国は現在、トランプ大統領が先週下した2つの決断に関連し、大きな政治的不確実性に直面している。1つは関税をめぐる問題でネガティブなリスク、もう1つは北朝鮮との会談で、こちらはポジティブなリスクだ」
「平和であるか、そうでないかはマーケットにとって非常に重要なこと。貿易戦争であれ、『戦争』と名のつくものは悪材料であり、中央銀行の政策や経済指標よりも大きな問題だ。その意味では、北朝鮮に積極的に関与していこうというのは良い動きと言える」
「関税の問題については、それが子供のけんかのような報復合戦に発展してしまう前に、当局者がその愚かさに気付き、速やかに撤回されることを願っている。」
──運用する旗艦ファンド「ルーミス・セイレス・ボンド・ファンド」
「今話したさまざまな情勢に鑑み、われわれは以前からリザーブ、即ちキャッシュや米短期債券の比率を引き上げ、平均残存年限を短期化してきた。無論、その間もリターンを諦めることはしないが、来たるべき金利上昇に備えるという意味で、ディフェンシブな態勢へとシフトしてきた」
「十分なリザーブを持つことが必要だ。当面はディフェンシブなポジショニングを維持し、時がくれば、戦術的に動く」
──米金利見通しについて。
「現時点では、FRBの利上げは年内3回、2019年にも数回あると予想している。今回の利上げサイクルで、10年債利回りは心理的節目の3%を上抜け、4%を目指すとみている。2年債利回りは3%を目指すだろう」
「今年の上昇メドとしては、10年債が現在の2.8%台から50ベーシスポイント(bp)、2年債利回りは(現在の2.2%台から)75bpほどを見込んでいる。30年債については、10年債利回りプラス40bpあたりとみる」
(1 Japanese yen = $0.0094)
(インタビュアー:植竹知子)