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米大型株式ファンドから巨額流出、貿易戦争の懸念で=米銀調査
3月9日、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)が9日に公表した週間調査によると、7日までの週に米国の株式ファンドから103億ドルが流出した。写真は8日、ニューヨーク証券取引所(2018年 ロイター/Brendan McDermid)
[ロンドン 9日 ロイター] - バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)が9日に公表した週間調査によると、7日までの週に米国の株式ファンドから103億ドルが流出した。
そのうち101億ドルが大型株だった。トランプ米大統領が鉄とアルミニウムの輸入品に関税をかける方針を示して以来、同盟国や貿易団体から批判の声が上がっており、世界的な貿易戦争への懸念が浮上。国債やその他のより安全とされる資産に資金が流れ込んだ。
世界の株式ファンドからは4億ドルが流出した。
リスク志向が低下する中で、マネー・マーケット・ファンド(MMF)へ資金が流入し、MMFの総額は2兆9000億ドルと2010年以来の高水準となった。比較的安全な資産とされる金は4億ドルの流入となった。
米小型株は影響を免れた。同ファンドは小幅な流入となり、3000万ドルが流れ込んだ。
日本株は41億ドルの流入。14カ月連続でプラスとなった。流入が続いた期間は13年以来の長さだ。欧州株は1億ドルの流入だった。
トランプ大統領は8日、鉄鋼とアルミの輸入制限を正式決定した。カナダとメキシコを対象から当面除外したことで投資家の不安はいくぶん和らいだ。また、トランプ氏が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会談するとの報道を受け市場心理が好転し、原油が値を上げた。
経済規模が大きい国の中で、米国への輸出の依存度が最も高いのは中国だ。米国の保護主義的な姿勢に最大の影響を受けるとみられる。BAMLは、香港ドルが米中貿易戦争の指標となると述べる。香港ドルは米ドル相場に固定している一方、経済は中国に大きく左右されるためだ。香港ドル