ニュース速報

ビジネス

パウエルFRB議長の議会証言に注目=今週の米株市場

2018年02月26日(月)07時11分

 2月23日、26日から始まる週の米株式市場では、パウエル米連邦準備理事会(FRB)新議長による議会証言が注目材料となる。2017年11月撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

[ニューヨーク 23日 ロイター] - 26日から始まる週の米株式市場では、パウエル米連邦準備理事会(FRB)新議長による議会証言が注目材料となる。FRB議長は半期に一度の金融政策報告書の議会提出にあわせて上下両院で証言する。下院金融サービス委員会での証言は27日に行われる予定。

米国株式市場は今月初めに急落したが、ほぼ同時期に新議長に就任したパウエル氏はそれにほとんど言及していない。急落が落ち着いた後の就任式でも、「金融の安定に対するリスク発生に引き続き警戒する」と述べるにとどまった。

インベスコのグローバル・マーケット・ストラテジスト、クリスティーナ・フーパー氏は「FRB議長の交代と株価急落が同時期に起きたことは偶然とは思わない」とした上で、イエレン前議長は市場の急落にFRBが対応するという安心感を提供してきたが、パウエル議長のアプローチはかなり異なる可能性があると指摘。「『イエレン・プット』は確実に存在したが、『パウエル・プット』があるかどうかは分からない」と述べた。

FRBは、27日の議会証言に先立って公表した金融政策報告書で、国内経済の底堅さを踏まえ、段階的な追加利上げが正当化されるとの認識を示した。

また、FRBが21日公表した1月30━31日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、メンバーらがインフレや景気見通しに自信を深めたことが明らかになっている。

アナリストからは、パウエル議長の下、FRBのタカ派色が強まるとの見方が出ている。

金利上昇は、株式から債券への投資シフトを招く可能性があるほか、消費者や企業の借り入れを厳しくする可能性もはらむ。

PIMCOのマーケット・ストラテジスト兼ポートフォリオ・マネジャーのトニー・クレセンツィ氏は、FRBはこれまでに講じた金融引き締め措置が奏功していないため、FRB自身のためにも経済を若干減速させる必要があると指摘。ただ市場関係者はFRBが景気拡大を持続させる行動を望んでおり、それは追加利上げを意味するとした上で、FRBが株価急落を景気支援が必要な根拠とみなす可能性は低い、と述べた。

26日からの週には第4・四半期国内総生産(GDP)改定値や耐久財受注統計など多くの経済指標の発表が控えているほか、百貨店大手メーシーズや衣料小売り大手ギャップなど企業決算の発表も相次ぐ。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中