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ドル107円半ば、日生幹部「105円割れでは買いたい」

2018年02月22日(木)15時22分

 2月22日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク時間午後5時時点に比べ、ドル安/円高の107円半ば。朝方にきょうの高値をつけた後、日経平均の下げ幅拡大とともに107円前半まで下押ししたが、午後、株安が一服すると小幅に持ち直した。 写真は昨年4月撮影(2018年 ロイター/Dado Ruvic)

[東京 22日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク時間午後5時時点に比べ、ドル安/円高の107円半ば。朝方にきょうの高値をつけた後、日経平均の下げ幅拡大とともに107円前半まで下押ししたが、午後、株安が一服すると小幅に持ち直した。

午前は180円安で寄り付いた日経平均が300円超に下げ幅を拡大。リスク回避の円買いが強まりドルは107.16円まで下落した。その後、株価の下げ幅縮小とともにドルも小幅に持ち直した。

先週105円半ばをつけた後は反発しているが、いまだ108円台は回復できておらず、メインは短期筋のショートカバーとの見方が多い。「短期筋は特段の理由もなく円高が進んでいるというだけでポジションを膨らましていた。105円台で底を打った形になっているので早めにあきらめて買い戻している」(邦銀)との声が出ていた。

市場では、旧正月休暇から明けた中国を含むアジア勢の出足も関心を集めていた。前日から続いたドルの切り返しは、休暇で出遅れた向きの買いだったのではないかとの指摘も出ていた。

米金利高と円高の同時進行を受け、一部投資家が為替リスクをヘッジしないオープン外債投資に動いていると伝わった。「一段の円高進行が否定できないためか、積極的とは言い難い」(邦銀)というが、「機関投資家がそういうスタンスでいるということは下を攻めづらくなってきた。105円は割れても一時的というコンセンサスがあると、落ちたところでは実需筋からもドル買いがわいてくる」(国内金融機関)との声もあった。

日本生命の大関洋取締役(有価証券運用担当、CIO)は22日、ロイターとのインタビューで、ドルは100円割れもあり得るとの見方を示し、「105円を割り込んだ場面では買いたい」と述べた。

午前は、米イエール大学名誉教授の浜田宏一・内閣官房参与の発言が伝わったが、相場の反応は限定的だった。黒田東彦総裁の続投後に日銀の緩和手段として外債購入を検討して欲しいとの見解を示した。ロイターの取材に答えた。[nL4N1QC0P8]

市場からは「どう考えても円安誘導とみられる。金融政策で為替にインパクトを与えるような政策は常識的には検討できない。円高に突っ込んでいる時にはインパクトのある発言になったかもしれないが、戻しているところだと市場も難しいという認識になる」(国内金融機関)との声が出ていた。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 107.45/47 1.2272/76 131.90/94

午前9時現在 107.56/58 1.2278/82 132.10/14

NY午後5時 107.76/79 1.2282/86 132.37/41

(為替マーケットチーム)

ロイター
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