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米FRB当局者、市場の利上げ加速観測に懐疑的
2月21日、米国でのインフレ加速の兆しを受け、米連邦準備理事会(FRB)が年内に3回かそれ以上の利上げを行うとの見方が金融市場で強まる中、ダラス地区連銀のカプラン総裁(右)は公表した自身の景気・政策見通しに関するエッセーで、FRBは2018年に緩やかに忍耐強く利上げを行うべき、との認識を示した。写真は昨年7月、メキシコでの経済会議で発言する同総裁(2018年 ロイター/Edgard Garrido)
[21日 ロイター] - 米国でのインフレ加速の兆しを受け、米連邦準備理事会(FRB)が年内に3回かそれ以上の利上げを行うとの見方が金融市場で強まる中、FRB当局者が21日に示した見解では積極的な利上げは不要との方針は変わっていない。
ダラス地区連銀のカプラン総裁は21日公表した自身の景気・政策見通しに関するエッセーで、FRBは2018年に緩やかに忍耐強く利上げを行うべき、との認識を示した。
カプラン総裁の見解は、昨年12月時点で2018年の3回の利上げを見込んだFRBの中心メンバーとほぼ一致する。
2月初めに1月雇用統計が発表されるまでは、金融市場で年3回の利上げは完全には織り込まれていなかった。しかし、雇用統計で賃金の大幅な伸びが示されたことを受け、年3回の利上げ観測が後押しされたほか、4回の利上げを予想する向きも出てきた。
カプラン総裁はエッセーで、自身が適切と考える今年の利上げ回数には言及しなかったが、FRBが利上げで後手に回れば、景気後退の公算が大きくなる可能性があると警告した。
フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は21日、今年の利上げ回数について、2回が「適切である可能性がある」と考えているとしながらも、これより多い回数の利上げが必要になった場合は容認する構えも示した。
一方、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は同日、ブルームバーグテレビのインタビューで、市場における利上げ加速観測の強まりについて、「(市場は)あらゆることに過剰反応している」と述べ、FRBはそうすべきではないと語った。同総裁は昨年の連邦公開市場委員会(FOMC)で3回の利上げにすべて反対してきた。今年のFOMCでは投票権を持たない。