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英金利、中銀見通しより速い上昇が必要の可能性=ハルデーン理事
2月21日、イングランド銀行(英中央銀行)のハルデーン理事は21日、インフレ率を目標に到達させるために、金利は中銀の見通しよりも速く上昇する必要がある可能性があるとの見方を示した。写真はロンドンのBOE本店、昨年4月撮影(2018年 ロイター/Hannah McKay)
[ロンドン 21日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のハルデーン理事は21日、インフレ率を目標に到達させるために、金利は中銀の見通しよりも速く上昇する必要がある可能性があるとの見方を示した。
同理事はインフレ報告に関する議会証言で、「英国の需要とインフレに関する金融政策委員会の最新の見通しに対するリスクは上向きであると判断している」とし、世界経済も英経済もより良好に推移できると指摘。「世界、および英国の経済成長とインフレの勢いは予想より強くなる可能性がある」とし、これにより金利の道筋に対するリスク均衡は上向きとなるとの考えを示した。
議会証言にはカーニー総裁とブロードベント副総裁も出席。カーニー総裁は「市場では基調的なデータを織り込み始めたため、われわれが何を行うのか、より良く予測することができる。このため、利上げに関する事前の直接的なコミットメントの必要性は薄れている」と述べた。
英ポンドは対ドルで1週間ぶり安値を付けていたが、中銀当局者の議会証言を受けやや上向いた。1745GMT現在、英ポンド
一部の英中銀当局者は、時期尚早の利上げがもたらすリスクをけん制しているものの、ハルデーン理事は「歴史的にみて、中銀がブレーキをかける時期が遅過ぎることが雇用の喪失につながっている」とし、そうした状況に逆戻りすることは望んでいないと語った。そのうえで、車に例えるなら、サイドブレーキを使い車体を急旋回させるような状況を回避するためにも「事前に限定的かつ緩やかな方法で対処していく」ことが適切との考えを示した。
同理事はまた、英経済成長率が2017年にみられた水準近辺を維持できれば、一部刺激策の解除が必要とする見解を正当化できると語った。
さらに、2018年1月以降の指標が、賃金の伸び加速を示すことを想定しているとし、近い将来において年率3%の伸びに到達するとの見通しを示した。
カーニー総裁は、欧州連合(EU)離脱の行方やそれに伴う英国に対する信認への影響が、英経済見通しを左右する要素として重要視されると指摘。「英国とEUとの将来の関係を巡り、年内に大きな展開があることが予想される。それは家計や企業の期待、さらに経済見通しに影響を及ぼすことになる」とし、「金融政策は機敏だ。こうした期待に対応していく」と語った。