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米FRB、年内2回の利上げが適切=フィラデルフィア連銀総裁
[21日 ロイター] - 米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は21日、今年の利上げ回数について、2回が「適切である可能性がある」と考えているとしながらも、これより多い回数の利上げが必要になった場合は容認する構えも示した。
ハーカー総裁はセントルイス大学で行った講演で「経済は比較的力強いが、インフレ(の低迷)が根強いことを踏まえ、2018年は2回の利上げが実施されると予想している」と述べた。
同総裁は「連邦準備理事会(FRB)はデータに依存するとの姿勢を繰り返し示している。現時点では、データは2回(の利上げ)が適切な道筋になる公算が大きいことを示している」とも指摘。ただ、データは変化し、時として将来の展開を適格に示さないこともあるため、予想は「鉛筆で書き入れている」と述べた。
FRBは3月の会合で利上げを実施するとの見方が大勢となっているが、このところのインフレ関連指標が力強さを増していることから、経済の過熱を防ぐためにFRBは今年は少なくとも3回の利上げを実施する必要があるとの見方が出ている。
ハーカー総裁は講演ではこのところのインフレ関連指標のほか、物価押し上げ要因になると見られているトランプ政権の減税措置などについては言及しなかった。
米経済成長率については今年は2.5%、来年は2%となり、2020年には2%を下回るとの予想を維持。失業率については現在の4.1%から来年の年央には3.6%に低下すると予想。雇用の伸びは引き続き堅調となるとの見方を示した。
インフレ率については、2019年終盤までにはFRBが掲げる2%の目標に達するか、これを超えるとの見方を示した。
同総裁はまた、FRBの政策枠組みの再検討についてはオープンであるとしながらも、一部のFRB当局者が支持を示しているインフレ目標の引き上げなどの措置の導入は「急がない」と指摘。他の主要中銀と歩調が合わなくなる可能性のある政策について、FRBは「時間をかけてじっくりと」検討する必要があると述べた。
ハーカー総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていない。
*内容を追加して再送します。