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ユーロ圏総合PMI速報値、2月は57.5に低下 依然高水準
[ロンドン 21日 ロイター] - IHSマークイットが発表した2月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値は57.5と、予想の58.5を下回った。
1月改定値は、過去10年あまりで最高の58.8だった。
値上げとユーロ高が響いたが、先行きへの楽観度は少なくとも5年半ぶりの高水準となっており、依然として力強い成長が続いていることが浮き彫りとなった。
IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「依然として非常に高水準だ」と指摘。第1・四半期の域内総生産(GDP)伸び率が0.9%に達するとの見通しを示した。ロイター調査では0.6%が予想されている。
1年後の生産予測を示す指数は68.3で、2012年7月の統計開始以来、最高となった。前月は68.0だった。
サービス部門PMI速報値は56.7で、前月の58.0から低下。市場予想の57.6を下回った。
企業の値上げは続いている。サービス部門の産出価格指数は52.8で、前月の53.6から低下したが、前月は2008年半ば以来の高水準だった。ユーロ高で輸出競争力も低下している。
ウィリアムソン氏は「企業ははっきりと指摘していないが、こうした要素が影響しつつあると要約できる」との見方を示した。
製造業PMI速報値は58.5と、前月の59.6から低下。予想の59.3を下回った。
生産指数は59.5と、4か月ぶりの低水準だった。前月は61.1だった。
輸出受注指数は56.8と、7カ月ぶりの低水準。前月は58.4だった。ユーロ高が影響している可能性がある。
キャピタル・エコノミクスのエコノミストは、「2月の総合指数は低下したが、依然として高水準で今年初めの健全な成長と一致している。総じてみるとユーロ圏経済は引き続き堅調でインフレ圧力も少ない。欧州中銀(ECB)は年内の資産買い入れ終了を今後数週間で示唆するとみている」と述べた。
今回は低下したものの、50は依然と大きく上回っている。JPモルガンのグレッグ・フゼシ氏は「このところは持続が難しくなるほどの高水準にあったため、今回の低下はそれほど驚くべきことではない」とし、「中身を見ると周辺部が底堅かったほか、雇用指数の低下はほんのわずかだった。このため、将来的な低下は抑制されたものになるとみている」としている。
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