ニュース速報

ビジネス

アングル:アリババとテンセントが投資合戦、小売り事業拡大で

2018年02月21日(水)08時23分

 2月19日、中国の電子商取引(EC)大手アリババ・グループ・ホールディングと騰訊控股(テンセント・ホールディングス)が、小売り関連事業の拡大を目指し投資合戦を繰り広げている。写真はアリババのロゴ。上海で2016年5月撮影(2018年 ロイター/Aly Song)

[上海 19日 ロイター] - 中国の電子商取引(EC)大手アリババ・グループ・ホールディングと騰訊控股(テンセント・ホールディングス)<0700.HK>が、小売り関連事業の拡大を目指し投資合戦を繰り広げている。

昨年来、両社はネットと実店舗の両方での取引拡大を目指し、小売り事業に100億ドル以上を投じてきた。消費者と小売業者双方を取り込み、支払いから物流、ソーシャルメディア、ビッグデータを活用したサービスまであらゆる分野での競争に打ち勝つためだ。

このため、どちらの側にもつかない小売り業者はどんどん減っている。調査会社カンター・ワールドパネルのゼネラルマネジャー、ジェーソン・ユウ氏は「実店舗を運営する小売業者は、どちらかにつかなければ食い物にされてしまう、と不安がっている」と述べる。

鍵を握るのは、13兆ドルにも上るモバイル決済市場だ。

アリババは傘下にオンライン決済大手アント・フィナンシャル・サービス・グループを抱え、出資比率を33%にまで高めた。

一方のテンセントは人気のチャットアプリ「微信(ウェイシン)」の決済機能をてこに急速に追い上げており、オンライン小売り大手京東商城(JDドットコム)も傘下に収めている。

ユウ氏は「小売業の展開にとって、支払い手段は入り口であり非常に重要だ」と述べる。

中国では小売売上高の約85%を実店舗が占めており、ハイテク大手にとっては魅力的な巨大市場だ。ユウ氏は「アリババ、JDドットコム、テンセントにとっては将来的な成長が見込めるビジネスであり、シェア獲得を狙っている」と説明する。

アリババは今月、小売業専門のビッグデータ会社を4億8600万ドルを買収した。

(Adam Jourdan記者)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 2

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子供を「蹴った」年配女性の動画が大炎上 「信じ難いほど傲慢」

  • 3

    あまりの激しさで上半身があらわになる女性も...スーパーで買い物客7人が「大乱闘」を繰り広げる動画が話題に

  • 4

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 5

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 5

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 9

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中