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政権奪還なら金融セクターは産業に奉仕へ=コービン英労働党党首

2018年02月20日(火)13時08分

 2月20日、英国の最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首(写真中央)は、同党が政権を奪還すれば、同国の金融セクターが「すべての人ではなく、産業に奉仕する」ことになるとの見解を示す見込みだ。写真はロンドンで10日撮影(2018年 ロイター/Simon Dawson)

[ロンドン 20日 ロイター] - 英国の最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首は、同党が政権を奪還すれば、同国の金融セクターが「全ての人の支配者ではなく、産業に奉仕する」ことになるとの見解を示す見込みだ。

社会主義寄りのコービン党首は、サービスの再国有化や公共支出の拡大を訴えて多くの支持を集める。利益の多いロンドンの金融セクターを以前から批判しており、政治家はあまりに長期間、マネーメーカー(金もうけのうまい人)の奴隷に成り下がってきたと非難した。

党首は製造業者の会議での演説で、2022年以降行われる選挙で政権を取った場合、国内経済のリバランスを進めると改めて表明する見通し。さらに、保守党を率いるメイ首相は欧州連合(EU)離脱を巡る明確な見通しを示せていないと批判するとみられる。

コービン党首は「一世代の間、金融が産業に奉仕せず、政治家が金融に奉仕してきた。その結果、生産的経済、わが国の公共サービスと国民生活は少数の『大き過ぎてつぶせない』銀行とカジノ金融業者に人質として取られてしまった」と批判。

「もはやそれも終わりだ。次の労働党政権は40年ぶりに、実体経済のために立ち上がるだろう。わが党は金融を、全ての人の支配者ではなく、産業への奉仕者とするため断固たる行動を取る」と述べる予定だ。

さらに、自動車部品大手GKNに対する投資会社メルローズの敵対的買収案に言及。「われわれはGKNのような企業の成長を適切に評価しているが、同社の崩壊の可能性に直面している時、対応するすべがない」とし、「次の労働党政権は『公益性テスト』の範囲を広げ、国内の産業基盤を破壊する敵対的買収を防ぐため政府が介入できるようにする」考えだ。

大手企業は労働党に対し警戒しており、米モルガン・スタンレーは投資家に対し、コービン党首の政権奪還はEU離脱以上の政治リスクになると警告した。

*本文1段落目と5段落目の表現を明確にしました。

ロイター
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