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米国債増発に市場は警戒、投資家は難しい選択迫られる
2月18日、インフレ上昇や米連邦準備理事会(FRB)による利上げ加速の可能性を示すシグナルに神経を尖らせてきた米国債の投資家は、米政府が2580億ドル相当もの国債増発に踏み切る中、難しい選択を迫られることになりそうだ。ワシントンのFRB本部で2015年9月撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ニューヨーク 18日 ロイター] - インフレ上昇や米連邦準備理事会(FRB)による利上げ加速の可能性を示すシグナルに神経を尖らせてきた米国債の投資家は、米政府が2580億ドル相当もの国債増発に踏み切る中、難しい選択を迫られることになりそうだ。
財務省は今月初め、30年ぶりの税制改革に伴う資金繰りなどのために、国債の増発を決めた。昨年成立した税制改革により連邦政府の債務は1兆5000億ドル増える一方、歳出は今後2年余りで約3000億ドル膨らむ見通しだ。
アナリストは、財政赤字拡大やインフレ上昇、FRBによる利上げ加速が同時に起こることで、米国債の保有リスクが高まっていると懸念する。
実際にロイターのデータによると、10年債の利回りは先週、2.944パーセントと約4年ぶりの高水準まで上昇。2年債は過去9年余りで最高の水準をつけた。5年債は約8年ぶりの高水準で推移、7年債は2011年4月以来の水準に上昇した。
アナリストは、米国など世界の株式市場が乱高下する中、米国債の利回り上昇を受けて安定した利益を期待する投資家が増えそうだ、と予想する。
TDセキュリティーズは調査リポートで「利回り上昇で需要が増えるかもしれないが、投資家は依然どの水準で買いを入れればいいか非常に厳しく選別している。今週の入札では2年債が相対的に妙味があると思われるが、需要は比較的慎重にとどまるとみている」と指摘する。
財務省は20日から期間3カ月と6カ月の短期債を含む1510億ドルの国債入札を始める。
BMOマーケッツのアナリスト陣は「米国債への需要の厚みについては確信している」と強調する一方、「もっと重要な問題は、どの程度の調整が必要になるかだ」と問い掛けた。