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米1月輸入物価1.0%上昇、予想上回る

2018年02月17日(土)02時44分

[ワシントン 16日 ロイター] - 米労働省が16日発表した1月の輸入物価指数は前月比1.0%上昇と、市場予想の0.6%上昇を上回った。石油製品をはじめ幅広い品目が値上がりし全体水準を押し上げた。向こう数カ月間で物価上昇ペースが加速する可能性がある。

昨年12月の数字は当初発表の0.1%上昇から0.2%上昇へ上方改定された。

1月の前年同月比は3.6%上昇し、17年4月以来の大幅な伸びとなった。昨年12月は3.2%上昇していた。

オックスフォード・エコノミクス(ニューヨーク)の首席米国エコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は「輸入価格の上昇が将来的に卸売物価、および消費者物価の押し上げに寄与していくと予想している」としている。

中国からの輸入の価格は前月比では2カ月連続で横ばいとなったものの、前年比では2014年10月以来初めて上昇に転じた。

今週発表された1月の消費者物価指数と卸売物価指数は伸び率が拡大した。物価が今年上昇し、米連邦準備理事会(FRB)の目標とする2%を突破する可能性もあるとの見方を後押しした。

労働市場の引き締まりとドル安、1兆5000億ドル規模の減税政策、政府支出の拡大が物価を押し上げるとの見方だ。物価上昇圧力が高まればFRBは利上げを現在の見通しよりも速いペースで進めるかもしれない。FRBは今年3回利上げする見通しを示している。1回目は3月に見込まれている。

1月の輸入物価の内訳は、石油・石油製品が4.3%上昇した。12月は2.3%上昇していた。石油を除く輸入物価は0.5%上昇し、16年7月以来の大幅な伸びとなった。前月は横ばいだった。石油を除く輸入物価の上昇はドルが米国の主要な貿易相手国に対して下落していることを反映している可能性が高い。

石油を除く輸入物価の前年同月比は1.9%上昇した。

資本財は前月比で0.1%、食品は0.8%それぞれ上昇した。自動車は0.5%のプラス。自動車を除く消費財は前月から横ばいだった。

同時に発表された1月の輸出物価は0.8%上昇。昨年12月は0.1%上昇していた。1月の前年同月比は3.4%上昇と、17年3月以来の大幅な伸びだった。前月は2.8%上昇していた。

ロイター
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