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欧州市場サマリー(8日)
[8日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。イングランド銀行(英中銀、BOE)の発言で利上げ観測が高まりポンドが上昇。ドル建てで収益を上げる大手企業の株価が下がった。
BOEは、わずか3カ月前の見通しと比べ、利上げをより早く、そしてやや大幅に進める必要があるだろうと述べた。
ポンド高を受け、大手生活必需品銘柄の値下がりが目立った。日用品大手ユニリーバと同レキット・ベンキーザー、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は1.8%から3.2%下落した。
一方、製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)は1.4%上昇した。スイスの同業ノバルティスがGSKの主力のぜんそく治療薬「アドベアー」の後発医薬品(ジェネリック)の発売に向けて動く中、米当局が承認を遅らせた。またGSKは、米ギリアド・サイエンシズの抗エイズウイルス(HIV)の新薬をめぐりギリアド・サイエンシズを提訴。これも好材料となった。GSKは前日、好決算を発表している。呼吸器官とHIV事業の競争が主なリスクとされていた。
<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。世界的な株安が続いた後、前日は株価が持ち直したものの、株高は続かなかった。この日は投資家の不安心理の度合いを示すユーロSTOXX50ボラティリティ指数が32と、英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票以来の高水準に達した。
フランスのCAC40指数は1.98%低下。ドイツのクセトラDAX指数は2.62%の低下だった。ドイツ株では、自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)や化学大手BASFなどの景気循環株が大幅に売られた。VWとBASFは3.8%と3.3%それぞれ下落した。
欧州の重工業の指標となるスイスの重電大手ABBは67.%下落。一部の投資家は、世界的な好景気を背景に企業利益へ期待を高め昨年12月から景気循環株を買い込んできたが、ABBが発表した決算は期待外れの内容だった。
一方、デンマークの通信大手TDCは17.8%急騰。07年6月以来の大幅高となった。オーストラリアの投資銀行マッコーリー・グループや年金基金3機関による買収提案を拒否したことが好感された。
<ユーロ圏債券> 債券利回りが総じて数年ぶりの高水準を更新。米・ドイツで歳出が拡大する見通しが強まる中、金融政策者が今後、政策引き締めに動くことを余儀なくされるかが注目される。
米上院では、与野党指導部が2018、19年会計年度の予算方針を巡り、歳出上限を3000億ドル近く引き上げることで合意。ドイツは大連立政権樹立で合意し、政府支出に前向きな社会民主党(SPD)が財務相ポストを獲得した。
独10年債利回りは0.808%と、2015年9月以来の水準に上昇。
英中銀が政策決定会合で、政策金利を据え置きつつも、当初の見立てよりも早期かつ一段の利上げがおそらく必要になるとの認識を示したことを受け、利回り上昇に拍車がかかった。英2年債利回りは2015年終盤以来の高水準、英5年債利回りも数年ぶり高水準をつけた。