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ドル109円後半、米株急落のあと方向感出ず
2月5日、午後3時のドル/円は、2日のニューヨーク市場午後5時時点に比べわずかにドル安/円高の109円円後半。前週末の米株急落を経たこの日の東京市場で、ドル/円の値幅は0.5円と小幅にとどまった。写真は昨年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White)
[東京 5日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、2日のニューヨーク市場午後5時時点に比べわずかにドル安/円高の109円円後半。前週末の米株急落を経たこの日の東京市場で、ドル/円の値幅は0.5円と小幅にとどまった。安倍首相や黒田日銀総裁の発言が伝わったが、反応は限定的または一時的で、方向感に乏しかった。
早朝の取引で110円前半を推移していたドルは仲値を過ぎて109.97円の安値を付けた。午後に入ると、安倍首相や黒田日銀総裁の発言が伝わったが、方向感を左右するような値動きにはならなかった。
安倍晋三首相は5日午後の衆院予算委員会で、再び物価が下落する状況に戻ることがないとは言い切れないとし、現段階では「デフレ脱却とは言えない」と語った。
また、日銀が掲げる物価2%目標は妥当とし、日銀に大胆な金融緩和の継続を求めた。
黒田日銀総裁は同じく衆院予算委員会で、まだまだ物価2%目標には道半ばとの認識を示し、引き続き強力な金融緩和を粘り強く続けていく必要があると述べた。
ドル/円相場は安倍首相の発言には反応薄だったが、黒田総裁の発言を挟んで、109.94円から110.04円まで0.1円程度強含んだ。
他方、個人投資家は「108円台で買い込んだドルを、110円を超えたあたりで利益確定させている。株安で円が強くなるとの見方から、ドル売りポジションを増やす動きも出ている」(外為どっとコム総合研究所調査部長の神田卓也氏)という。
通貨オプション市場では、前週末の世界株安と円安の同時進行には困惑ぎみだ。
ドル/円の1カ月物の予想変動率(インプライド・ボラティリティー)は、ロイターデータで現在8.4%付近へ上昇し、31日につけた昨年11月以来の高水準へ接近。
しかし、リスクリバーサルでは、1カ月物の円コールオーバー幅が、1月末につけた昨年10月以来の水準から縮小し、年度末をまたぐ3カ月物も同様の動きで、一段の円高を警戒する動きはあまり強まっていない。
市場では一段の日本株安を警戒する声が上がっている。安倍首相が解散・総選挙を表明した昨年9月以降、買いが勢いづいて主要国の中でも高パフォーマンスを上げてきただけに、本邦勢の年度末や海外勢の四半期末にあたる3月を前に、今回の市場の崩れが益出し売りを急がせる可能性があるとの見方だ。
ドル/円
午後3時現在 109.95/97 1.2458/62 137.00/04
午前9時現在 110.02/04 1.2444/48 136.94/98
NY午後5時 110.09/12 1.2460/63 137.23/27
(為替マーケットチーム)