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欧州市場サマリー(2日)

2018年02月03日(土)06時03分

[2日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 4営業日続落して取引を終えた。週間ベースでは2017年4月以来、約9カ月ぶりの大幅安となった。この日は決算が嫌気された通信大手BTが売られたほか、一次産品銘柄が値を下げた。

ロンドン・キャピタル・グループのジャスパー・ロウラー氏は「世界的に、リスク資産から安全資産へ投資資金が流れている。英国だけの現象ではない」と述べる。

BTは2.2%下落した。一時は5年ぶりの安値をつける局面もあった。第3・四半期決算が売り材料だった。インターアクティブ・インベスターのリチャード・ハンター氏は「卸売事業やグローバルサービス部門の業績が引き続き振るわない。年金制度の状況も懸念材料だ。収益や1株当たり利益はまちまちで、予想をやや下回る」と指摘した。

一次産品銘柄は部門別で最大の重しとなった。好調な米雇用統計を受けドルが上昇し、ドル建て資産の金属価格が下がったことで鉱業株が売られた。石油大手も値を下げた。BPは2.4%下落。BPが30%の株を保有するアケルBPの第4・四半期利益が市場予想を下回った。

一方、携帯電話サービス大手ボーダフォンは2.4%上昇。米メディア関連会社リバティ・グローバルと欧州において事業交換の可能性を巡り協議を進めていることを追認した。

外部委託のキャピタは2.3%上昇。モルガン・スタンレーが投資判断を「アンダーウェート」から「イコールウェート」に引き上げたことが好感された。キャピタは今週、利益見通しを引き下げ配当を停止。株価が大幅安となっていた。モルガン・スタンレーは投資家向けのメモで「キャピタは従来型のBPO(業務外部委託)企業として競争力に欠けるとの見方は変わらない。同業他社と比べて株価が割安となっていることは妥当だ。ただ今は株価が上がっており、投資判断をイコールウェートに引き上げる」とした。

ロンドン株式市場:[.LJP]

<欧州株式市場> 続落して取引を終えた。投資家のリスク選好度が低下する中、STOXX欧州600種指数<.STOXX>は週間ベースで約3.1%安となり、2016年11月以来の大幅な落ち込みとなった。この日は決算が嫌気されたドイツ銀行が売り込まれ、同業銘柄も連れ安となった。

ドイツのクセトラDAX指数<.GDAXI>は1.68%低下。週間ベースでは2年ぶりの大幅安だった。

銀行株指数<.SX7P>は1.11%低下。18年初めは、景気循環株が買われる中で好調なスタートを切ったが、ここにきて低迷してきた。週間ベースでは6カ月ぶりの大幅な落ち込みとなった。

ドイツ銀行は6.2%下落した。取引時間中は17年11月以来の安値をつけた。17年の決算は3年連続で損失を出した。厳しい市況と投資銀行部門における収益の落ち込み、米国の税制改革が打撃となった。第4・四半期決算は市場予想を下回った。

スペインの銀行カイシャバンクとバンコ・デ・サバデルも四半期決算が売り材料となり値を下げた。

フィンランドのタイヤメーカー、ノキアンは7.0%下落。ロシア市場での売り上げが軟調だったことが嫌気された。

欧州株式市場:[.FJ]

<ユーロ圏債券> 1月の米雇用統計で賃金が前年比で2009年以来の大幅な伸びとなったことを受け、ユーロ圏金融・債券市場は米国債に追随する形で債券利回りが上昇した。

米国では労働市場が最大雇用状態に達する見込みで、賃金の伸びは物価上昇ペースが上がるとの見方を後押しした。

日興アセットマネジメントの首席世界ストラテジストは「非常に底堅い内容」と指摘。「特に賃金指標は、近い将来インフレが加速することを示しており、債券にはマイナス材料だ」と話した。

ドイツ10年債利回りは一時、4ベーシスポイント(bp)上昇して0.768%の高水準をつけた後、0.757%まで上げ幅をやや縮小した。

米雇用統計を受け、英10年債利回りは7bp上昇して1.609%と16年5月以来の高水準を記録する場面があった。

米10年債利回りは2.854%と4年ぶり水準に上昇した。

みずほのストラテジストは「米欧はまったく異なる力学で動いていると認識することも重要」と分析。「最終的に米国債がドイツ国債をアンダーパフォームし、両者の利回り差は一段と拡大するだろう」と予想した。

米国とドイツの10年債利回り格差は米雇用統計公表後、207bpまでやや拡大し、過去有数の水準付近で推移した。

ユーロ圏金融・債券市場:[DE/BJ]

ロイター
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