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欧州市場サマリー(1日)
[1日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 3営業日続落して取引を終えた。決算が嫌気された携帯電話サービス大手ボーダフォンが売られたほか、業務請負のキャピタが前日に軟調な利益見通しを示したことから同業他社が落ち込んだ。
ボーダフォンは4.5%下落した。スペインとイタリア市場の競争が激しく、第3・四半期収益の伸びが鈍化した。
石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルは2.3%下落。第4・四半期のキャッシュ・フローが市場予想を下回ったことが期待外れだった。
キャピタは前日に大幅安となり、同業他社もマイナス圏で取引されている。業務請負・建設大手カリリオンが先日経営破たんしたことが同部門の重しとなっている。
レンタルオフィスのIWGは14.4%急落。カナダのプライベート・エクイティ(PE)企業、オネックスと資産運用会社ブルックフィールド・アセット・マネジメントがIWGに買収提案をしないとしたことが嫌気された。
一方、フィンテックのプロバイダーであるNEXグループは7.8%上昇した。今年は市場が「著しく」活発であり、収益が増加したとの発言が好感された。
<欧州株式市場> 続落して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)が物価見通しを引き上げたことで金融引き締めが意識され、国債利回りが上昇。国債の価格が一段安となるとの懸念が広がった。
ETXキャピタルのアナリスト、ニール・ウィルソン氏は「不安定な株式相場の要因は、国債利回りの上昇だろう」と指摘した。
ほとんどの部門がマイナス圏で取引された。
STOXX欧州600種ヘルスケア指数は1.85%低下。個別銘柄ではデンマークの糖尿病治療薬大手ノボノルディスクが7.3%安となった。ノボノルディスクは第4・四半期の営業利益が市場予想を下回ったほか、会長が退任すると発表した。
通信株は1.46%低下。決算が嫌気された英携帯電話サービス大手ボーダフォンが重しだった。
一方、決算が好感されたフィンランドの通信機器大手ノキアやフランスのソフトウエア開発企業ダッソー・システムズなどは値を上げた。
<ユーロ圏債券> 指標とされる独10年債利回りが2年ぶりの水準に上昇した。米連邦準備理事会(FRB)が前日、同国のインフレ率が今年上向くとの見解を示したことが材料視されている。
FRBは前日までに開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定。ただ、インフレ率は今年は上昇するとの見方を示し、パウエル次期議長の下、金利が緩やかに上昇していく観測を支える内容となった。
FOMCの結果を受け、米債利回りは上昇。ユーロ圏債利回りもこれに追随する格好となった。
コメルツ銀の金利ストラテジスト、レイナー・グンターマン氏は「米長期債利回りは上昇を続けており、欧州債・独債市場に影響が波及している。独10年債は国内の経済動向よりも、米国での状況に方向性を見出す状況となっている」と語った。
米10年債利回りが約4年ぶりの高水準となる2.75%近辺で推移する中、独10年債利回りは0.738%と、2年ぶり高水準をつけた。
仏10年債利回りも上昇。ロイターのデータによると、昨年3月以来初めて1%を突破した。
DZバンクのストラテジスト、ダニエル・レンツ氏は、米国で今年3、もしくは4回の利上げが見込まれる中、「欧州中央銀行(ECB)も次回の理事会で、市場の予想通りフォワードガイダンスを修正する公算が大きい」との見通しを示した。
域内のユーロ債利回りはこの日、概ね2-3ベーシスポイント(bp)上昇したが、周辺国債利回りの低下は続いた。
10年物のスペイン債と独債の利回り格差は68bpと、2010年4月以来の低水準となった。イタリア債と独債の利回り格差も約124bpと、2016年9月以来の低水準をつけた。