ニュース速報

ビジネス

NAFTA再交渉、第6回会合始まる トランプ氏「かなり順調」

2018年01月24日(水)10時05分

 1月23日、米国、カナダ、メキシコの3カ国による北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第6回会合が、モントリオールで始まった。トランプ大統領が協議は「かなり順調」と述べるなど、明るい兆しも見える.ホワイトハウスで洗濯機と太陽光パネルに輸入関税をかける大統領令に署名する同米大統領(2018年 ロイター/Jonathan Ernst)

[モントリオール 23日 ロイター] - 米国、カナダ、メキシコの3カ国による北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第6回会合が23日、モントリオールで始まった。トランプ大統領が協議は「かなり順調」と述べるなど、明るい兆しも見える。

トランプ大統領はホワイトハウスで洗濯機と太陽光パネルに輸入関税をかける大統領令に署名した際、「NAFTAはかなり順調に進展している。不調に終われば廃止するというのがわたしの立場だ」と述べた。

この発言を受けてメキシコ通貨ペソは下げを取り戻した。

再交渉は、メキシコ総選挙と時期が重ならないよう、3月末までに終了する予定。

カナダの首席交渉官を務めるスティーブ・バーホール氏は記者団に「交渉での隔たりをいくらか埋めるため、多くの新しい案と多くの創造的な戦略を持って会合に臨む」と述べ、進展するとの「高い期待」があるとした。

関係筋によると、米国が提案している自動車部品の域内調達比率引き上げについてカナダとメキシコは柔軟に対応する用意がある。ただ、両国は米国製部品の調達率を50%に引き上げるという提案には強く反発。米国が求める加盟国間の紛争解決の仕組みの変更案についても隔たりが残ったままだ。

メキシコの首席交渉官、ケン・スミス氏は、通信や汚職対策、食品安全など対立点が少ない分野で進展を期待していると述べた。

モルガン・スタンレーは顧客向けノートで、米国にはNAFTAへの積極関与を続ける動機が存在すると指摘。「今後数カ月内に米国が同協定を離脱する公算は小さいと考える」とした。

ただ、カナダ当局者の多くは、米国が真剣に交渉に取り組むつもりかどうかが分からないとして、悲観的見解を示した。

カナダの交渉スタンスに詳しい関係者は「交渉相手の意向が不明確な場合、要求を黙って受け入れる以外にどのように折り合いをつけられるのかは理解が非常に難しい。黙って受け入れることは決してない」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英総合PMI、4月速報値は11カ月ぶり高水準 コス

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、4月速報値は51.4に急上昇 

ワールド

中国、原子力法改正へ 原子力の発展促進=新華社

ビジネス

第1四半期の中国スマホ販売、アップル19%減、ファ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 9

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中