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日経平均はバブル崩壊後高値更新、円高一服・アジア株堅調で安心感

2018年01月23日(火)16時18分

 1月23日、東京株式市場で日経平均は大幅に3日続伸。上げ幅は300円を超え、バブル崩壊後の高値を更新した。写真は都内で2016年2月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 23日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅に3日続伸。上げ幅は300円を超え、バブル崩壊後の高値を更新した。米政府機関の一部閉鎖が解除される見通しとなり、前日の米国株が最高値を更新。アジア株も総じて堅調に推移する中、海外勢とみられる資金が断続的に日本株に流入した。日銀の金融政策決定会合の結果発表後にドル/円が大きく崩れなかったことも投資家心理を下支えした。

TOPIXも3日続伸し昨年来高値を更新した。米政治情勢の好転を受け買いが先行した後、日経平均は2万4000円を手前にいったんは伸び悩んだ。ただ韓国総合株価指数<.KS11>や香港ハンセン指数<.HSI>が一時1%を超す上昇となるなどアジア株が強含みで推移。東京市場でも「現物ベースで海外勢が買いに動いている」(国内証券トレーダー)との声が聞かれた。

日経平均は前場に2万4000円、後場に昨年来高値の2つの節目を突破すると、それぞれのタイミングでショートカバーを巻き込み、さらに上伸した。

日銀は今回の金融政策決定会合で、市場の想定通り金融政策の現状維持を決定。展望リポートでは中期的な予想物価上昇率を前回10月の「弱含み」から「横ばい圏内」に上方修正した一方、物価の政策委員見通しの中央値は18、19年度とも据え置いた。公表後にドル/円は一時110円台半ばまで円高に振れ、日経平均先物もランチタイムに上げ幅を縮小。ただ円高進行が一服したことで、先物の反応は一時的なものにとどまった。

東証1部の売買代金は前日比約16%増の2兆7548億円だった。ミョウジョウ・アセット・マネジメントCEOの菊池真氏は「このところ先物が出来ていないにもかかわらず上を買ってくる動きがみられる。積極的な売り手が不在な中、結果的に買い上げられてしまう印象。米国株が強いというのが根底にある」と話す。

東証33業種中、下落は石油・石炭のみ。上昇率トップは不動産で、その他金融がこれに続いた。主力銘柄ではソニー<6758.T>や村田製作所<6981.T>などハイテク関連株の上昇が目立ち、TOPIXコア30構成銘柄の9割超が値上がりした。

個別銘柄ではヤマダ電機<9831.T>が反落。4─12月期は連結経常利益が前年同期比11%減の480億円程度だったようだと日本経済新聞が報じ、嫌気された。店舗改装などでコストが膨らんだほか、在庫処分によって採算が悪化したという。半面、セック<3741.T>が急伸。同社が22日に発表した通期業績予想と年間配当予想の上方修正を材料視した買いが入った。

東証1部の騰落数は、値上がり1649銘柄に対し、値下がりが346銘柄、変わらずが68銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      24124.15 +307.82

寄り付き    23924.40

安値/高値   23916.02─24129.34

TOPIX<.TOPX>

終値       1911.07 +19.15

寄り付き     1900.26

安値/高値    1898.57─1911.31

東証出来高(万株) 141512

東証売買代金(億円) 27548.30

ロイター
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