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ドル111円前半、底堅い動き
1月18日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点とほぼ変わらずの111円前半。日中は海外市場終盤の流れを引き継いで一時111.48円まで切り返した。写真は昨年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White)
[東京 18日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点とほぼ変わらずの111円前半。日中は海外市場終盤の流れを引き継いで一時111.48円まで切り返した。
きょうのドルは111円前半で取引開始。NY市場終盤に米政府機関閉鎖回避への期待が高まったことをきっかけにドルが買われた流れを引き継ぎ、午前は底堅い動きとなった。
前日に110円前半で国内投資家と見られる向きからまとまった買いが入り、その後切り返しへ転じたことも、日中の下値不安を和らげたという。
ただ、午後に入るとそうした買いは一巡。26年2カ月ぶりに2万4000円台を一時回復した日経平均が下げに転じると、ドル/円も上値が重くなった。
<アップルの大規模資金回帰策、ドル押し上げに期待>
市場では、米アップルが海外で保有している現金を本国へ還流させ、約380億ドルの税金を支払うと発表したことが、ドル高の手がかりとして話題になっている。
野村証券によると、税率を米税制改革法が定める流動資産対象の15.5%と仮定して算出すると、同社が海外に留保している現金2500億ドル超の大半を還流させることになるという。同社は年間に300億ドルの現金を海外で生み出しているため、海外資金が不足する懸念はない。
同社が海外で保有する現金は米企業で最大。BNPパリバによると、非金融で海外の現金保有額が大きいのは、マイクロソフト、米グーグルの持ち株会社アルファベット、ネットワーク機器のシスコシステムズ、ソフトウエアのオラクルなど。
<加ドル大変動、「NAFTAリスク」読み切れず>
もうひとつ、市場で話題を集めたのは、海外時間のカナダドルの激しい値動き。カナダ銀行(中央銀行)の利上げを受けて、対米ドルで1.2540加ドルから1.2362加ドルまで、発表後数分の間に178ポイントの大変動をみせた。
予想通り金利を引き上げた一方、声明に「インフレ目標達成には一定の金融緩和継続が必要」と記したことで、市場では「ハト派的利上げ(dovish hike)」だったとの評が聞かれた。
さらに参加者の判断を難しくしたのは、米国、メキシコと進めている北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を「最大のリスク要因」と位置付けたこと。再交渉が加経済の不透明要因であることは間違いないが、政治問題が今後の金融政策上の最大のリスクとなったことで、不透明感が一段と増した格好だ。
イアン・ブレマー社長率いるユーラシア・グループは今年の世界10大リスクをまとめたリポートの冒頭で、今年は「地政学的な恐慌(Geopolitical depression)」を警戒すべきと警鐘を鳴らしている。 昨年は「地政学的な不況(geopolitical recession)と指摘していた。
ドル/円
午後3時現在 111.11/13 1.2204/08 135.64/68
午前9時現在 111.34/36 1.2179/83 135.62/66
NY午後5時 111.12/15 1.2211/15 135.60/64
(為替マーケットチーム)