ニュース速報

ビジネス

中国の12月輸入、1年ぶりの低い伸び 輸出は予想上回る

2018年01月12日(金)18時00分

 1月12日、中国税関総署が発表した12月のドル建て輸入は、前年比4.5%増加し、予想(13.0%増)を大幅に下回った。写真は2014年12月浙江省で撮影(2018年 ロイター)

[北京 12日 ロイター] - 中国税関総署が発表した2017年12月の貿易統計は、輸出入(ドル建て)ともに、前年比で予想外に伸びが加速した11月から勢いが鈍った。金融リスクや産業公害への政府の取り締まりが続く中、中国経済が失速している兆候が示された。

12月の輸出は前年比10.9%増と、アナリスト予想(9.1%増)を上回った。11月は12.3%増だった。

<輸入、2016年12月以来の低い伸び>

一方、輸入は前年比4.5%増となり、2016年12月(3.1%増)以来の低い伸び。アナリスト予想(13.0%増)を大幅に下回った。11月は17.7%増だった。

オックスフォード・エコノミクス(香港)のエコノミスト、ルイス・クイジス氏は「金融・財政政策の緩やかな引き締めと不動産の失速により、中国の内需と輸入は2018年に減速するだろう」と語った。

税関総署の報道官は、昨年の輸入額の伸び率の半分は価格上昇によるものと指摘、通商の力強い拡大が続くとは見込みにくい、とした。

エコノミストは、12月の中国の輸入の伸びは完全に価格が原因だとみており、数量ベースでは前年同月比で減少したと推定している。

税関によると、電子機器とハイテク製品の輸入は、11月は前年同月比15%超増加していたが、12月は伸び率が1桁台に鈍化した。

キャピタル・エコノミクスの中国担当シニアエコノミスト、ジュリアン・エバンズ・プリチャード氏は「輸入数量は先月、季節調整済み前月比で6.8%減少した。貿易統計は振れが大きいことが多いとはいえ、約2年ぶりの大幅減は昨年末に内需が鈍化したサインだ」と述べた。

<対米貿易黒字、過去最高を更新>

12月の貿易収支は540億ドルの黒字で、2016年1月以来の高水準となった。

11月の貿易収支は402億1000万ドルの黒字。エコノミストは12月の貿易黒字が370億ドルに縮小すると予想していた。

2017年通年では、輸出が7.9%増で2013年以来の高い伸び。輸入は15.9%増加し、2011年以来の高い伸びだった。

2017年の対米国の貿易黒字は2758億1000万ドルと、過去最高を更新した。同年12月の対米貿易黒字は255億5000万ドルで、黒字幅は前月の278億7000万ドルから縮小した。

トランプ米政権は中国の対米貿易黒字を問題視している。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA

ビジネス

根強いインフレ、金融安定への主要リスク=FRB半期
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中