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FRB当局者、低インフレを懸念=FOMC議事要旨

2018年01月04日(木)07時59分

1月3日、米連邦準備理事会(FRB)が公表した2017年12月12─13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、政策当局者らは現在の低インフレが続く可能性に懸念を示した。写真はワシントンのFRB本部。2015年9月撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 3日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が3日公表した2017年12月12─13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、政策当局者らは現在の低インフレが続く可能性に懸念を示した。

FRBは同会合で、08年の金融危機以降5度目となる利上げを決めた。議事要旨では、米景気刺激策の物価押し上げ効果について当局者らが不透明感を抱いていることが明らかになった。

議事要旨は「ほとんどの参加者は政策金利を徐々に引き上げ続けることを支持した。経済活動と物価の見通しにおけるリスクのバランスをとることができる手法だと認識している」とした。

また、トランプ米政権下の減税政策や財政出動によって物価圧力が過度に増す可能性と、逆に実質インフレ率もしくは期待インフレ率がFRBの目標である2%に届かない可能性についても討議した。

パウエル次期FRB議長は就任して数カ月間、物価の弱含みの対処に追われるだろう。物価が上昇しなければさらなる利上げは正当化しにくくなる。パウエル氏はイエレンFRB議長と交代する見込みだ。

アマースト・ピアポイント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンレー氏は、「FRBは万人受けするやり方で政策を進めてきた。物価の上昇ペースが伸びれば利上げのペースを上げ、物価のペースが鈍化すれば利上げのペースを緩めるやり方だ」と指摘する。

当局者らは、17年12月22日にトランプ大統領が署名した1兆5000億ドル規模の税制改革が米経済を短期的に押し上げるとの見方を示しているが、12月のFOMCでFRBは、18年と19年に3回ずつ利上げする見通しを維持した。税制改革の下、法人税は35%から21%に低下するほか、個人の納税額も大半の場合、一時的に下がる。

議事要旨で多くの当局者らは「所得税減税案が消費支出をいくぶん押し上げるだろう」とした。法人税の変更も設備投資を小幅に押し上げる可能性が高いとの見方を示した。

ただ「調査先の一部の企業は、キャッシュフローが増える分、合併・買収(M&A)や債務削減、自社株買いに資金を使う可能性が高いと指摘した」としている。

FRBは同会合で18年と19年の失業率見通しを過去最低水準の4%とした。ただ物価は18年末時点でも2%を下回るとの予想だ。

米経済が好調な中、物価の弱含みは不可解であり、ここ数カ月間FRB当局者らの協議の中心となっている。12月の利上げに反対した2名の当局者は物価の弱含みに懸念を示していた。

参加者らは総じて、物価が中期的に目標値に戻ってきているとみているが、数名は「長期的な要因によって物価が抑制されているかもしれない」と指摘した。

市場は次回のFOMCで利上げはほぼないとみている。3月の会合では利上げがあるとの見方が大勢だ。

ロイター
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