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焦点:米GEが「選択と集中」、待ち受ける長く厳しい道のり

2017年11月15日(水)08時10分

 11月13日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジョン・フラナリーCEO(写真)は、事業を電力、航空機、ヘスルケアの中核3分野に絞り込む方針を表明した。NYで撮影(2017年 ロイター/Alwyn Scott)

[13日 ロイター] - 米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジョン・フラナリー最高経営責任者(CEO)は13日、事業を電力、航空機、ヘスルケアの中核3分野に絞り込む方針を表明した。そのためには何十もの案件を通じて200億ドルを超える資産を2年間で売却しなければならず、事業見直しには厳しい道のりが待ち構えている。

GEの株価は年初来で40%下落、現在は19ドル近辺で推移しているが、メリウス・リサーチなどの試算によると、GEの資産価値は1株当たり最大で30ドルとなる可能性がある。非中核資産の売却が成功すれば、適正なバリュエーションとの差を縮小するのに役立つ。

だがGEの非中核資産売却には、時間を要する上に不確実性の強い合併・買収(M&A)とスピンオフ(分離・独立)の組み合わせが求められる。例えばGEは、売却対象に挙げた資産のうち最も価値の高い油田サービス会社ベーカー・ヒューズの株式62.5%(資産価値230億ドル相当)を保有しているが、同社と締結した契約により2019年7月まではスピンオフできない。

GEは2014年、傘下のシンクロニー・フィナンシャル株の約15%を新規株式公開(IPO)で売り出し、その1年3カ月後に残るシンクロニー株をGE株と交換する案を提示した。コーウェン・アンド・カンパニーのアナリスト陣は13日付ノートに、GEがシンクロニーと同様の手法を追求するかどうか着目していると記した。

M&Aの交渉には試練も伴う。例えばGEはインダストリアルソリューションズ事業を売却する方針を表明した10カ月後の今年9月、同事業をスイスの重電大手ABBに売却することで合意した。関係者によると、交渉は売却額で意見が合わず、緊迫していたという。

フラナリー氏が売却対象に挙げた200億ドル強の資産にベーカー・ヒューズ株は含まれていない。売却対象の中で最大の資産は輸送事業で、2016年の売上高は47億ドル、事業価値は80億─100億ドルと評価される可能性がある。同事業は貨物・旅客鉄道車両、船舶用ディーゼルエンジン、鉱業用機器などを製造している。

同事業は別の企業やプライベートエクイティ(PE)会社に売却されるか、スピンオフされる可能性がある。シーメンスやアルストムなどの欧米企業のほか、日本や中国の鉄道車両メーカーが買収に関心を示すかもしれない。

GEは既にヘルスケア情報技術事業を売りに出している。事業価値は20億─30億ドルと推計される。関係者の話では、同事業はPE会社への売却が図られており、売却が決まった場合には分割されることになりそうだ。

(Greg Roumeliotis記者)

ロイター
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