ニュース速報

ビジネス

米上院、オバマケア改廃案の採決見送り 共和党内で十分な支持なく

2017年09月27日(水)07時29分

[ワシントン 26日 ロイター] - 米共和党の上院議員らは26日、「最後のチャンス」と位置付けた医療保険制度改革(オバマケア)改廃案を巡り、今週実施を目指していた採決を見送る方針を明らかにした。

同党の重鎮マケイン議員に加え、ポール、コリンズ2議員が反対票を投じる意向を表明するなど、党内で十分な支持を取り付けられなかったことを受けた動き。

上院(定数100)は今月中なら60票ではなく過半数の賛成で法案を通過させることができるが、52議席を占める共和党で3人が造反すれば、法案は可決できない。

7月にオバマケアの一部を廃止する法案が採決にかけられた際は賛成49・反対51の僅差で否決されていた。

ジョンソン議員は26日、記者団に対し「時間切れとなった」と発言。共和党は税制改革の実現を目指した後に、再びオバマケア改廃に取り組む方針だと述べた。

採決見送りは2010年のオバマケア成立以降、見直しを目指してきた共和党にとって大きな痛手となる。今年発足した共和党のトランプ政権下で国内政策の重要法案を一つも可決できない可能性があり、来年11月の中間選挙への影響も懸念される。

新たな法案は、メディケイド(低所得者向け公的医療保険)向け連邦予算などについて、州政府に包括的補助金の形で資金を分配することが柱となっている。

新たな法案を巡り、推進派は州政府に独自の医療保険制度を運営する裁量を与えることになると主張する一方、反対派はメディケイド向け連邦予算の大幅削減を反対する主な理由に挙げている。

昨年の大統領選でオバマケア見直しを公約の一つに掲げてきたトランプ米大統領は26日、政権はオバマケア改廃法案を支持しなかった「一部のいわゆる共和党員」に失望していると表明した。

共和党指導部のスーン上院議員は記者団に対し、共和党は十分な賛成票が得られることが明白になるまで、オバマケア改廃を再度目指す可能性は低いとし、まずは税制改革に取り組む考えを示した。  

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

メルセデス、中国パートナーとの提携に投資継続 「戦

ビジネス

日経平均は大幅反落800円超安、前日の上昇をほぼ帳

ビジネス

焦点:国内生保、24年度の円債は「純投資」目線に 

ビジネス

ソフトバンク、9月30日時点の株主に1対10の株式
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中