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欧州市場サマリー(31日)

2017年06月01日(木)04時16分

[31日 ロイター] - <為替> ドルがほぼ全面安の展開。対円では110円半ば近辺で、一時は2週間ぶり安値をつけた。ロシア政府とトランプ政権の癒着疑惑が深まる中、内政が停滞するとの懸念が重しとなっている。

外為市場:[USD/J]

<ロンドン株式市場> 小幅続落した。来週に控えた英総選挙に関する世論調査が政治の先行き不安をかき立てたことでポンドが乱高下し、投資家は慎重姿勢をとった。

FT100種<.FTSE>は配当性向の高い輸出銘柄が多く、ポンド安が追い風となる。31日はポンドの動きに連動する形で、FT100種は取引時間の早い段階で過去最高値をつけた後、終盤にかけて売られた。月間では約4.5%高と、今年最も大きな伸びとなった。

ポンド安の環境下で買われる一次産品関連柄は値下がりした。供給過剰と中国の投機筋による売りで鉄鋼価格が今年最大の値下がりとなったことが背景にある。鉱業大手のグレンコアとリオ・ティント、BHPビリトンは全て2%を超える値下がりだった。

ロンドン株式市場:[.LJP]

<欧州株式市場> 小幅続落で取引を終えた。予想外に好調だった企業の決算発表シーズンも終わり、新たな買い材料を欠いた上に、政治への不安が生じており、投資家らは銀行や一次産品株関連の株を中心に当面の利益を確定するための売り注文を出した。

製薬大手の英グラクソ・スミスクラインやスイスのノバルティス、フランスのサノフィなど配当性向の高い大手ディフェンシブ銘柄が相場を下支えした。消費関連と銀行、一次産品銘柄は値を下げた。

イタリアの主要株価FTSE・MIB指数<.FTMIB>は0.40%低下した。総選挙が前倒しされるとの見方から、週初めから銀行株を中心に売り物が集中している。中でもこの日はジェノバの中堅銀行カリジェが6.5%安と大きく下げた。経営を巡る意見対立で資本増強計画に遅れが出るとの懸念が生じた。

欧州株式市場:[.FJ]

<ユーロ圏債券> 欧州中央銀行(ECB)理事会を来週に控えるなか、ユーロ圏のインフレ率がECBの目標を大きく下回ったことで国債利回りが一時低下した。

欧州連合(EU)統計局が発表した5月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は、前年同月比1.4%上昇と、昨年12月以来の低い伸びとなった。4月は1.9%上昇していた。

ECBはインフレ率を2%を若干下回る水準とすることを目標としているが、今回の統計でこの水準を大きく下回ったことで、ECBは現行の超緩和的な金融政策を当面は維持する必要があるとの見方が裏付けられた。

この日の取引ではECBの緩和策で大きな恩恵を受けているイタリアとポルトガルの国債利回りが大きく低下。イタリア10年債利回りとポルトガル10年債利回りは一時2─4ベーシスポイント(bp)低下した。他のユーロ国債の利回りも取引時間中の大半は低下していたが、終盤にかけてほぼ横ばいの水準となった。

ユーロ圏金融・債券市場:[DE/BJ]

ロイター
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