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海外酒類・国内飲料で積極投資、4000億円規模は可能=アサヒ社長
11月24日、アサヒグループホールディングスの小路明善社長は会見で、海外酒類・国内飲料で積極的な投資を仕掛けていくと述べた。写真は茨城県で4月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 24日 ロイター] - アサヒグループホールディングス <2502.T>の小路明善社長は24日の会見で、海外酒類・国内飲料で積極的な投資を仕掛けていく方針を示した。欧州4事業を約3000億円で買収したが、今後も4000億円程度の投資は可能だと指摘。海外事業は同グループの成長エンジンと位置付けており、海外売上高比率を現行の16%から、早期に20―30%に引き上げる。
海外事業への投資については、高い収益性を持っていること、しっかりとしたプレミアムブランドを持っていること、アサヒの事業とのシナジー創出が可能なこと―――の3点を条件として挙げた。
SABミラーを買収したアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)
同社は、大型の資金需要が発生する際には、DEレシオ1倍程度を許容することを明らかにしている。小路社長は「アセットの入れ替えや一部株式の売却を行っている。これを除いても、4000億円程度の投資が可能だ」と述べた。
アサヒはすでに、ABインベブのSABミラー買収に際して、SABミラーが保有していたビールブランド「ペローニ」や「グロールシュ」、「ミーンタイム」など4事業を2945億円で買収している。小路社長は、2018年からイタリアやオランダで「スーパードライ」の現地生産を開始する考えを明らかにした。
現在、ロシアを除く欧州で「スーパードライ」は102万ケース規模。小路社長は「まだまだ確固たる評価があるというポジションではない」としたうえで「現地で自社生産開始以降の早い時期に倍の規模にできる」と述べ、200万ケース規模に拡大させる方針を示した。
「スーパードライ」は世界約70カ国で販売しており、2015年は864万ケース(前年比15%増)と伸長している。17年には、スーパードライを中心とするアサヒブランドの販売数量は1000万ケースを超える見通し。
16年の海外売上高比率は、欧州4事業を単純合算して16%程度となる。小路社長は「成長エンジンとするならば、海外売上高比率を20―30%に引き上げたい」と述べた。欧州4事業の買収によって、連結売上高は2兆円が近付いている。売上高2兆円に対して海外売上高比率を20―30%とすれば、海外売上高は4000―6000億円規模となり、現状の3100億円から1000―3000億円積み上げが必要となる。
*内容とカテゴリーを追加し、写真を差し替えました。
(清水律子)